歩くことの習慣化と健康増進を目的に、第9回那覇市健康ウォーキング大会「ひやみかちなはウォーク2022」(那覇市や琉球新報社などでつくる実行委員会主催)が13日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇周辺を発着点に開催された。2~20キロの7コースに計3905人が参加した。那覇市内の名所旧跡や景色を楽しみながら歩いた。
3年ぶりに開催されたひやみかちなはウォークは、コロナの影響でコミュニケーションを取る機会が減る中、参加者が交流を深める場にもなった。また近郊に住む人たちもゆったり歩くことで、那覇の魅力を再発見した。
午前8時、小雨が降る中、最も長い20キロの「首里城まーい」コースの参加者が、那覇市奥武山町の沖縄セルラースタジアム那覇をスタートした。初めて参加した真和志中3年の生徒2人は「運動はあまり好きではないけど、せっかくなので一番長いコースを選んだ。完歩したい」と意気込んだ。
首里城まーいの難所は首里金城町石畳道。同級生と3人で参加した安岡中2年の生徒(13)は、最後は走って石畳道を上り切った。「体力の半分をここで使った…」と息切れしながらも楽しそう。気合を入れ直して先を急いだ。
漫湖沿いを通る「ラムサール湿地帯まーい」の参加者は自然に触れながら歩いた。同僚5人とその家族で参加した女性(45)は「コロナでイベントが中止になる中、社員同士は職場でコミュニケーションを取ることができても、その子どもたちが仲良くなるきっかけはなかった」と話す。今回、子ども同士がかけっこをしたりバッタを追いかけたりと泥んこになりながら一緒に遊んだという。「子どもたちの姿を見ると参加して良かったと思う」と話し、笑顔を見せた。
午後2時半ごろ、ゴールの沖縄セルラーパーク那覇周辺は完歩した人々の笑顔であふれていた。つえをついて7・8キロの「波の上・若狭海岸まーい」を歩いた男性(59)は「足が悪く、健康維持に気をつけている。みんなで歩くと力が出る」とほほ笑んだ。真和志中の生徒2人も20キロを完歩した。疲れた様子を見せながらも「めちゃめちゃ達成感がある。歩きながら那覇の歴史を感じられた」と声をそろえた。
(伊佐尚記、普天間伊織)