【粟国】あぐに野鳥友の会の調べによると、4月中旬からゴールデンウイーク期間にかけて、粟国島で確認された野鳥の種類は70種を超えた。野鳥観察のために粟国島を訪れる観光客も少しずつ増え始めている。国内でも観察記録が少ない種類の野鳥も確認されている。
「アカガシラサギ」(コウノトリ目サギ科)は中国南部では周年生息する。夏季は頭部から頸(けい)部が赤褐色、胴体上面は青みがかった灰黒色で、胸部が紫褐色の羽毛で覆われている。渡りの途中に飛来した旅鳥とみられる。
「オウチュウ」(スズメ目オウチュウ科)はくちばしと足が黒色で、羽には光沢がある。尾がスラリと長く、先端が二つに割れていて逆Y字のよう。本来の生息地ではない所に飛来した迷鳥。撮影者の四方正良さんは「他にもコホオアカ、シマジノコ、ツツドリ、クロショウビタキなど珍しい渡り鳥が確認されている」と話した。
「ヤマショウビン」(ブッポウソウ目カワセミ科)は頭が帽子をかぶったように黒く、翼の縁と背中は美しい紺色で旅鳥。
撮影者はゴールデンウイーク期間中に来島していた嵩原建二さん(沖縄野鳥研究会)。「ヤマショウビンも国内で確認されることはかなり少ない。島には2日間と短い滞在だったが、沖縄本島で見ることのできない鳥を見ることができた。自然環境を守りながら島民の生活環境を豊かにしていくことができたら、バードウォッチャーも増え、島の活性化につながるのでは」と話した。
(大城智恵通信員)