シロが帰ってきた? 映画「マリリンに逢いたい」モデル犬


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シロにそっくりなハブと飼い主の嵩原大志さん=12日、座間味村
海を泳ぐシロ=1986年12月、座間味島沖

 【座間味】その犬を見た時はわが目を疑った-。「シロじゃないのか。それともシロの子どもなのか?」。30年前に“恋犬”に会いたい一心で、阿嘉島から座間味島までの3キロの海を渡り、映画にも“出演”した「シロ」。そのシロにそっくりな犬が目の前にいたのだ。「大きさも姿も、色も表情も似ている」と、地元でも話題になっている。

 今月12日、座間味区のスーパーの前に、その犬はいた。私が「シロにそっくりだ」と驚くと、周辺にいた住民たちも「ほんとだ、ほんとだ」と声をそろえ、ちょっとした騒ぎになった。
 全身の白毛はもちろん、目鼻立ちから立ち居振る舞いまで、座間味島の名を一気に高めたヒーロー、あのシロに生き写しだったのだ。
 飼い主と一緒だった。那覇市に住む嵩原大志さん(34)。座間味島には何度か遊びに来ていて、この日も犬を連れて訪れ、スーパーに立ち寄ったところだという。
 嵩原さんによると、犬の名前は「ハブ」。11歳の雄。沖縄で生まれたのだという。親犬は現在、東京で暮らしているとのことだ。シロとの関係は分からないようだが、もしかして、近親の可能性もあるのだろうか。
 今年はシロが海を渡る姿が目撃、撮影された1986年から30周年。目撃の2年後には映画「マリリンに逢いたい」が製作されて全国上映され、一躍人気を博した。
 これをきっかけに座間味村への観光客も増えるなど、シロはいまでも島民にとって忘れ難い存在だ。
 ハブを見て、思った。「『マリリンに逢いたい』の第2弾が製作される日が来るかもしれない」
(宮里芳和通信員)