渡嘉敷村チービシ、アジサシ2倍の1241羽に 保護対策が奏功


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海面上で群れとなって餌を捕るベニアジサシら=8日午前9時40分すぎ、渡嘉敷村神山島沖(金良孝矢撮影)

 沖縄県自然保護課は8日、県の鳥獣保護区である渡嘉敷村チービシ(ナガンヌ、クエフ、神山の三島)でアジサシ類の調査を実施した。約650羽が確認された昨年同時期の調査より約2倍多い1241羽の繁殖が確認され、順調な状態だった。環境省レッドリストの絶滅危惧種2類に指定されるベニアジサシやエリグロアジサシのほか、チービシでマミジロアジサシのひなが初めて確認された。

ふ化したばかりのエリグロアジサシのひなと卵=8日、ナガンヌ島

 ナガンヌではベニが約千羽、エリグロ約60羽、マミジロが本島近海で例年より多い約40羽が繁殖していた。クエフはベニが120羽、エリグロが14羽繁殖し、マミジロ2羽、オオアジサシ1羽があった。巣はベニが4巣、エリグロ2巣だった。神山はエリグロが1巣、ベニ若鳥1羽、マミジロ成鳥が3羽確認できた。

 ナガンヌで昨年より多い繁殖が確認されたことについて、沖縄野鳥の会の山城正邦会長は「観光客の立ち入り防止のためのロープを張って効果が出た。順調にスタートして進んでいる」と評価した上で「観光客が入るなどしてクエフで放棄されている巣が五つあった」と指摘した。