三つ子の牛すくすく 自然受精で誕生、成長「珍しい」


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 【沖縄】島袋秀雄さん(72)が営む沖縄市倉敷のヒーロー牧場で2月6日、三つ子の子牛が生まれ、すくすくと育っている。県酪農組合によると「三つ子の牛が自然に受精し、出産できたことは珍しい」という。島袋さんは「40年酪農をやってきたが、初めてだ。神様からのプレゼントだ」と喜んだ。

三つ子の牛を「神様からのプレゼント」と喜ぶ島袋秀雄さん=2月28日午前11時半ごろ、沖縄市倉敷のヒーロー牧場

 三つ子は、父親が和牛の「北茂安93」、母親がホルスタインの「ロイヤルクイーンデニソニアアイオーン」の掛け合わせで「F1(交雑種)」の一種。ホルスタインの三つ子はごくまれにあるが、F1の三つ子は非常に珍しいという。

 県酪農組合の香村(かむら)直(なおし)参事も「ホルモン処置などで人工的に受精し、三つ子になったとしても3頭共に元気で生まれることはほどんどない。まして今回は自然に生まれた。20年間勤めて初めて聞いた」と話した。

 6日の午前4時半ごろに生まれ、直後は35キロほどだった。3頭のうち1頭の具合が悪そうだったが、数週間で体重も増え、元気に成長した。1カ月後には70~80キロにまで成長する見込みで、3月の競りに出荷される。

 島袋さんは酪農の引退を考えていたが「頑張ったご褒美なのか、もう少し頑張れという意味か」と笑い「三つ子を立派に育てたい」といとおしそうに子牛をなでた。