トックリラン、花50本 伊波さん宅 亡き母育てた木


この記事を書いた人 琉球新報社
トックリランの開花を喜ぶ伊波博さん=18日、宜野湾市嘉数

 【宜野湾】宜野湾市嘉数の伊波博さん(68)宅でトックリランが50本以上の花を付け、満開となっている。開花は数年から数十年に一度と言われており、識者は「これほど多くの花を咲かせているのは初めて見た」と語った。伊波さんは、2年前に他界した母シズさんがこの木を大切に育てていたことに触れ「供養になる」と喜んだ。

 戦後、伊波さんの両親が球根を買ってきて庭に植えた。今では4メートル近い高さにまで成長し、数年に一度花を咲かせている。1999年に花8本が咲いた際、母シズさんは琉球新報の取材に「(先に亡くなった)夫と植えた花木を守っている」と語っていた。

 伊波さんは「亡くなってから初めて咲くので感慨深い。生前を知っている人たちが見に来てくれたら、おふくろも喜ぶ」と遠くを見つめた。

 海洋博公園熱帯・亜熱帯都市緑化植物園の仲松辰弥主任技師は「一度にこれだけ開花しているのは見たことがない」と語った。

 リュウゼツラン科の仲間で、成熟までに年月が必要なため、開花は数年から数十年に1度とされる。