【与那原】与那原町板良敷で美容室を営む東恩納實(みのる)さん(66)が育てている桜の鉢植えが、「盆栽のようだ」「鉢植えとして一級品ではないか」と、客の間で話題になっている。桜は23年前、娘の美樹さん(43)の名前を付けて、現在まで大切に育ててきたもの。東恩納さんは「盆栽には疎いから」と言いながらも「娘を思いながら育ててきた桜。気持ちが木に伝わったようでうれしい」と話した。
桜の木は1995年、美樹さんが町主催の成人式に出席した際に、式典の中でプレゼントされたものだという。50センチほどの細い枝のような桜を2本、持って帰ってきた。
桜を植えた翌年、台風の風にあおられて一度折れてしまった。「元気になってくれ」と願いながら世話を続けると、折れた部分から若木が生えてきた。23年目の今では「たくましい幹と枝だね」と客がうなるほどだ。
東恩納さんは「いつか娘が人生の転機を迎えたときに、この桜を贈るつもりだ」と話した。