N高で注目の伊計島 小麦特産化へ


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 【伊計島=うるま】沖縄県うるま市の伊計自治会(玉城正則会長)は7日、島民や島出身者ら20人余を招き、小麦の収穫体験を島内の農地で実施した。同自治会は昨年11月、これまで手入れされていなかった農地に小麦を植え付けた。同自治会では、インターネットを活用した通信制のN高等学校の開校や観光客の増加などを念頭に、小麦を使った地域特産品の普及や販売などを模索しており、その一歩につなげる取り組みだ。

伊計自治会が手入れした小麦を収穫する参加者たち=7日、うるま市の伊計島

 小麦は約50年前まで、伊計島の主要産物として島民を支えていた。玉城会長は「少量の水でも育つ作物で、伊計島の土壌が小麦栽培に適していた」と説明する。しかし、サトウキビや黄金芋、タバコなどが台頭し島内での小麦栽培も下火になっていったという。

 観光客の増加で、地域の特産品を求める要望が以前から上がっていた。そうした声を受け、自治会は小麦を使った特産品作りや、地域活性化策を検討している。玉城会長は「伊計島の売店でしか買えない、地元の特産品を作りたい」と話し、小麦を使った商品開発に取り組む考えだ。また、収穫体験などを通じて「地域の結束にもつながるだろう」と期待を寄せる。

 慣れた手つきで小麦を刈り取っていた、80代の真栄喜ヨシエさんは、幼少期を振り返り「小麦は清明祭や日頃の食卓でもよく使ってた。捨てる部分なかったよ」と懐かしそうに話した。