天国の夫と舞台に 伊江・上間静さん 衣装は形見の浴衣


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上間静さん(左)、娘の孝子さん(中央)とひ孫のエマさん=7月28日、伊江村の特別養護老人ホーム「いえしま」

 【伊江】沖縄県伊江村の特別養護老人ホーム「いえしま」で7月28日に開催された夕涼み会で、同村川平在住の上間静さん(89)が浴衣を粋に着こなし、カラオケで自慢の歌声を披露した。

 白地に淡い水色のハマナスの花が描かれている浴衣地は、47年前に亡くなった夫の北海道出張の土産で、形見の品だった。浴衣は静さんの娘の大城孝子さんが一針一針心を込めて仕立てていたが、袖を通すことなくたんすにしまったままだった。

 今回「夕涼み会で舞台に立つのなら着てみたら」という孝子さんの勧めで初めて袖を通した。静さんは「お父さんのぬくもりを感じながら歌った。一緒に舞台に立っているようで心強かった」と感慨深げに話した。

 夕涼み会の時期はちょうど、米在住のひ孫上間エマさんが夏休みで帰省していた。1学期間、1年生として伊江村立西小学校へ通ったエマさんは「米国に帰る前にひいおばあさんと思い出ができて良かった。浴衣がとっても似合っていてかわいい」と話し、静さんと記念の写真を撮っていた。
 (知念光江通信員)