両雄、対局へ意気込み 王将戦那覇対局


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
首里城を訪れた久保利明王将(右)と渡辺明棋王=23日午後、那覇市の首里城正殿前

 24、25の両日に那覇市泉崎の琉球新報社で行われる将棋の「第68期王将戦七番勝負第4局那覇対局」(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社、日本将棋連盟主催、琉球新報社共催)に向け、久保利明王将と挑戦者の渡辺明棋王は23日に来県した。到着直後には首里城公園も訪れ、報道陣の記念撮影に応じた。重要な対局を前にした両者は硬い表情が目立ったが、公園内の高台から望む景色に笑顔を見せ、リラックスした様子もうかがえた。

 23日は琉球新報社内の対局室も検分した。両者は実際に正座で相対して将棋盤や駒の感触を確認していた。関係者から室内の設定温度や照明、部屋へ日差しが入る時間帯などの説明も受け、対局に備えた。

 前夜祭では大勢の将棋ファンらと交流し、壇上でマイクを握って対局への意気込みを語った。今回の王将戦七番勝負は3連敗で後がない久保王将は「厳しい局面だ」と率直に語った。その上で18年前に名護市で行われた王座戦に挑んだことを明かし「連敗した中で(沖縄で)一矢報いて帰った」と振り返り、反撃へ意欲を見せた。

 一方で「沖縄へ来たのは初めて。いつか来たいと思っていた」と語った渡辺棋王は「東京との寒暖差に驚き、沖縄に来たことを実感した。沖縄の食べ物、文化に触れながら将棋を頑張る」と勝負を見据えた。