【ペルー】ペルー人生70年を回想/伊芸氏の「自分史」完成


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「自分史」を前にご満悦の伊芸銀勇氏

 昨年、カジマヤースージ(祝い)を終え、ますます元気に日系社会で活躍している伊芸銀勇氏の「自分史」がついに完成した。IDB(米州開発銀行)沖縄年次総会に参加するため沖縄を訪れるWUBペルー支部に「自分史」が託された。
 自分史は「わが魂のペルー人生・70年回想記」のタイトルで全104ページ。生まれ育った宜野座での幼少時代の思い出やペルーへ渡航した経緯、ペルーでの教員生活、戦争勃発(ぼっぱつ)により日系社会が受けた悲惨な生活状況、さらに戦後の日系社会事情から最近のカジマヤースージまで、写真もふんだんに取り入れ、読みやすい文章でつづっている。
 特に伊芸氏は後年「琉歌」を詠み、ハワイ琉歌会にも入会するほど趣味を広げた。「移民てばハワイ沖縄から渡航て 八十年ウネ迎けてお祝えさびら」など、多くの作品を残している。圧巻は1996年にペルーで起きた「日本大使公邸占拠事件」で、伊芸氏自らの体験談が事細かに記されている。
 (赤嶺光弘通信員)