【ブラジル】35年ぶりに合併へ 県人会と文化センター


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握手を交わすブラジル沖縄県人会の与儀会長(左)と文化センターの与那嶺理事長

 ブラジル沖縄県人会(与儀昭雄会長)の第69回定期総会が19日、県人会本部大サロンで開かれ、沖縄県人会と沖縄文化センター(与那嶺真次理事長)の合併案が承認された。今後合併委員会(山城勇委員長)に委ね、5月か6月に予定されている臨時総会で決定される運び。総会ではそのほか、県人会組織概要の作成などについて審議し、承認された。

 総会には県人会各支部代表者、会員など約150人が出席した。カンポ・グランデ、ブラジリア、ロンドリーナ、マリリア、アララクワラなどの遠隔地やサンパウロ市近郊地域の支部代表も参加。出席者の約半数が一世会員で、会はポルトガル語と日本語の通訳を交えて進められた。
 午前の部は上原武夫氏の司会で、物故者への黙とうの後、2005年度の会務報告、収支決算報告、育英基金決算報告、会計監査報告などがなされた。昼食には、出席者全員に協和婦人会の会員が腕によりをかけて作ったソーキそばが振る舞われた。故郷の味を楽しみながら、久々の再会を喜び、ウチナーグチで談笑する声が会場に響いた。
 午後の部は宮城調智氏の司会で、2006年度行事や事業計画案(会員に特典のある医療保険の導入、県人会組織概要の作成、県人会創立80周年記念式典)の審議、さらに本部会費と予算案の審議が行われ、いずれも承認された。
 引き続き、宮城滋氏の司会で、本部提案事項である沖縄県人会と沖縄文化センターの合併案についての審議が行われた。1971年に沖縄協会から分離し、30年余にわたって独自の活動をしてきた文化センターだが、その会員のほとんどが県人会会員であることから、合併問題については数年前から両団体で検討されてきた。
 昨年末の同センターの臨時総会で合併案が承認されたことで話が飛躍的に進み、今回の総会の審議事項として取り上げられた。2時間余りにわたっていろいろな意見が出されたが、最終的には多数決で合併が承認された。合併後の団体の名称、合意文書の作成などについては合併委員会に委ね、5月か6月に予定されている臨時総会において決定されることになった。
 両団体の合併については、当地の邦字新聞(2社)でも、大きな話題として取り上げられ、移民100周年を前に、ますます結束を固めるブラジルのウチナーンチュの姿を日系社会に印象付けた。
 (与那嶺恵子通信員)