【ボリビア】入植50年の歩み、本に 日ボ協会


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オキナワ移住地入植50周年記念誌の表紙と写真集CD

 ボリビアの沖縄移住地では、2004年8月に入植50周年を祝ったが、その記念誌「ボリビアの大地に生きる沖縄移民」がこのほど完成し、2月18日の日ボ協会総会において配布された。記念誌は609ページ。写真集のCDが付録として付いている。

 内容は六部に分かれ、第一部「記念祭典」、第二部「50年の歩み」、第三部「オキナワ移住地」、第四部「特別寄稿」、第五部「参考資料」、第六部「名簿」となっている。移住地の歴史を中心としながらも、その範囲は事業、生活、医療、教育、芸能、ボリビア国についてなど広範囲に及んでいる。
 ほとんどは日本語での寄稿だが、カルロス・メサボリビア共和国大統領(記念式典当時)などの祝辞のほかにも、スペイン語の原稿と、それを翻訳した日本語の文章の両方が掲載されているものがある。
 開拓当時の文章や記録からは、その当時の苦労をしのぶことができる。それとともに、50年かかって成し遂げてきたこと、そしてオキナワ移住地のこれからにも目が向けられていく。
 写真集の目次は、第一部「入植50周年行事及び記念事業とその他」、第二部「移住地の歴史」、第三部「家族写真」、第四部「現在のボリビア各地及び日本人移住地」、第五部「移住地の自然及び動物」、第六部「資料」となっている。
 「家族写真」は、各家庭から提供された2枚の写真を収録したものだ。多くの家庭が、以前の写真と現在のものが収録されており、見比べると家族構成の変化などを見ることができる。
 ボリビア日ボ協会の中村侑史会長は「今、オキナワ移住地は一世から二世へと世代交代の時代。一世がオキナワ移住地で行ってきた50年を日本語で総まとめできたことは意味のあること」と記念誌の意義を語っていた。記念誌編纂(へんさん)委員会委員長の桜井宏章さんは「資料としては貴重なものが入っている。子供たちを含め多くの人たちが書いてくださった」と述べていた。
(木内一夫通信員)