【ブラジル】101歳の小浜シズ子さんらたたえ敬老会 


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本部町人会の敬老会で家族や親せきから祝福される101歳の小浜シズ子さん(中央)

 在ブラジル本部町人会(具志堅行永会長)主催の新年祝賀会と敬老会がこのほど、リベルダーデの「カラオケちから」で催された。60人の参加者を予定していた会場には、80余人が詰め掛け、ムトゥブンチュ(本部の人)で超満員となった。

 祝賀会は高安宏治沖縄県人会ビラ・カロン支部長の開会のあいさつで始まった。具志堅会長が新年を迎えた喜びを述べた後、100歳以上の小浜シズ子さん(101歳、字具志堅出身)、宮里松種さん(101歳、字瀬底出身)、宮里松七郎さん(100歳、松種さんの弟)の3人を紹介し、長寿をたたえた。3人には町人会からお年玉として金一封が贈られた。
 続いて、仲栄真盛順本部町長から寄せられたお祝いのメッセージが読み上げられた。「100歳、101歳を迎えられたご三名に、心からお祝い申し上げるとともに、同じムトゥブンチュとして大変誇らしく思っています」とつづられたメッセージには、異国ブラジルでの開拓者としての苦労をねぎらい、さらなる長寿を祈願する言葉とともに、「きゆぬ(今日の) ふくらしゃや(うれしさ) 101歳のお祝い 祝い酒かみて ひゃくはたち(120歳) うにげーさびら(お願いします)」と喜びの歌が詠まれた。
 3人のうち、唯一出席した小浜さんは、小柄ながらも背筋をしゃんと伸ばし、終始笑顔を見せていた。そして誕生日の歌とともに自身でケーキカットすると、会員そして市内や遠くパラナ州からも駆け付けた家族や親せきから万雷の拍手があり、祝福された。
 小浜さんの親せきを代表して国吉次郎さん、そして松種さんのご子息が謝辞を述べ、会は締めくくられた。
 小浜さんは、1923年12月13日に、呼び寄せの花嫁移民として、「神奈川丸」でサントス港に到着した。サンパウロ州リンスのカンペストレ入植地に在住していた小浜藤松さんと結婚、同地で5年間農業に励んだ。その後、第1アリアンサ入植地で20年、パウリスタ線オズワルド・クルース市で25年生活し、73年からサンパウロ市で暮らしている。
 野村流音楽協会師範として琉球古典音楽の普及・発展のために尽くした夫の藤松さんは、91年に亡くなった。小浜さんは6人の子供を産み育て、現在、7人の孫、10人のひ孫に囲まれ、庭の花や野菜の手入れを楽しむ日々を過ごしている。
 「家庭の円満、そして仲むつまじさ」が長寿の秘訣(ひけつ)と言う小浜さんは、邦字新聞に目を通すのを日課とし、衰えを感じさせないその記憶力は、周囲がびっくりするほどだという。
(与那嶺恵子通信員)