【ペルー】ウチナー移民の歴史描く 諸見里さんが出版


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「ウチナーンチュ、ペルーでの1世紀」を出版した諸見里ドリスさん

 沖縄市系2世の諸見里ドリスさん(44)が、沖縄県人移住100周年を記念した本「ウチナーンチュ、ペルーでの1世紀」を出版、このほど日秘文化会館大ホールで記念パーティーが催された。
 パーティーには沖縄市郷友会や県人会関係者ら約450人が出席。パーティーでは、長年ペルーの新聞社で記者として活躍してきたアレハンドロ佐久田氏が代表で祝辞を述べ、出版本の重要性をたたえた。

 移民誌は117ページ。四部構成で日本語にも訳されている。1906年、36人の最初のウチナーンチュがペルー北部に入植し、全日系人の7割を占めるウチナーコミュニティーが形成されていった経緯や、元気で活躍してきた17人の一世の高齢者の証言なども取り入れ、一世紀のウチナー移民の歴史を描いている。
 ドリスさんは99年に沖縄市郷友会創立20周年記念誌も手掛け、これまでペルーの日系新聞「ペルー新報」に詩や論文などを寄稿、インターナショナル・プレスにも多くの記事を寄稿している。
 他界した父の安政さんと、母ウトさんは旧美里村出身。11人きょうだいの末っ子として生まれ、国立サンマルコス大学法政学科を卒業した。
 ドリスさんは先の第十回WUB世界大会(ペルー開催)で、石川友紀琉球大学名誉教授や町田宗博琉球大学教授、仲程昌徳琉球大学教授、聖田京子ハワイ大学教授らとともに移民をテーマにした「学者会議」にパネリストとして出席している。
(赤嶺光弘通信員)