【アメリカ】歌や踊りで10年祝う フェイエットビル県人会


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フェイエットビル県人会10周年祝賀会で琉球芸能を披露する県人会メンバー=8日、ノースカロライナ州のフェイエットビル市

 「FORT BRAGG」と呼ばれ、規模の大きさを誇る陸軍駐屯地を持つ町、ノースカロライナ州フェイエットビル市に県人会が誕生したのは10年前。フェイエットビル沖縄県人会(千鶴子・ジェンキンス会長)の10周年を記念した祝賀会が8日、盛大に同市で行われた。
 朝からの雨模様にもかかわらず会場には400人余りが集まり、フロリダ、シカゴ、インディアナ州などの遠方からも駆け付けた。県人会メンバー手作りのすしや天ぷら、赤飯、サーターアンダギーなど、数多くの料理がビュッフェスタイルで出席者に振る舞われた。

 舞台では、ジュン・グリーンさんとリンプキンさんが名司会ぶりを発揮。新役員が紹介された。会長あいさつに続き、同県人会のメンバーによる「かぎやで風節」で祝賀会の幕が開いた。宮城流能松会の多美子さん、バーカー先生と門下生による「長者の大主」は、琉球古典舞踊の優雅さで出席者を魅了。また、カリフォルニア州から出席した宮城流能松会の宮城能松師範が「取納奉行」を舞い、琉球舞踊の奥深さを見せた。
 会員らの日ごろの練習の成果を披露した琉球舞踊をはじめ、演目は多彩。
特に会員の孫たちによる日本の童謡に合わせてのダンスに会場から「かわいい」の声が響いた。またいくつかの夫婦による和気あいあいとしたユーモラスな踊りに会場からは笑いがあふれた。さらにジャズダンスのインストラクターのリザ・モニズさんがジャズダンスの醍醐味(だいごみ)を披露。そのほか日舞、琉球国祭り太鼓、けいこ・ダンさんの「アンマー形見の一番ジン」の熱唱に目頭を押さえる人もいた。
 第二部は、プロ顔負けの歌謡曲、寸劇などの演目があり、余興の一つ一つを楽しんだ。出席者一人は「踊りの教師もいて、芸達者の多いこの環境がうらやましい。楽しかった」と語った。大いに笑い、感動した2時間はカチャーシで盛り上がり最高潮を迎えた。ジェンキンス県人会会長は「ゆいまーるの精神でこの祝賀会を終える事ができた。会員たちの一致協力があったからだ」と話した。
(鈴木多美子通信員)