【フランス】「自画像」など展示 中島イソ子さんが個展 パリ


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 「パリでいつかは、やりたかった」ー。画家の中島イソ子さん(66)の個展が、20日から26日までフランス、パリ16区の「ギャラリー・ロンシャン」で開催された。中島さんにとって初の海外での個展。ライフワークである「自画像」を中心に34点が展示された。同展には、女流美術家協会の仲本和子事務局長と真栄田文子さんも同行した。

 ギャラリーで行われたオープニング・パーティーには、県人会関係者をはじめ、約50人が参加した。「わくわく、でも緊張もしている」と中島さん。“あこがれの地”での個展開催に、パーティーなどでよく披露するという得意の“即興バレエ”で喜びを表していた。
 中島さんには「海外で自分の作品を見てもらい、どう評価されるのか知りたかった」という長年の思いがあったが、現在、パリ留学中の娘のアリサさん(33)が地の利を生かし、会場探しに奔走、3年前から準備し、昨年夏に正式に決まった。出展された作品は今までの作品の中から選んだ。
 30代から60代までのその時々の「中島イソ子」が紹介された。2年前にアレルギーが出てきた時の「顔」。白っぽい肌にすこし緑がかった青が混じる。それは環境汚染のひとつとして描かれている。昨年描いた「顔」は、自宅を引っ越した時に制作されたもので、「家の中からいろんなものがでてきて、そのごみの塊への怒り」(中島さん)を表している。
 パーティーに参加していた仏人は「モジリアニと同世代のロシアの画家、スーティアンをほうふつさせる」と感想を述べていた。
(又吉喜美枝通信員)