【アメリカ】沖縄の文化学びたい/渡辺さん、県費留学生で琉大へ


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県費留学生として沖縄で勉強することになった渡辺佳子さん(右)と母親の京子さん=県人会館

 本年度の県費留学生として2世の渡辺佳子さんが琉球大学で1年間勉強することが決まった。渡辺さんの母親は那覇市出身の京子さん(旧姓・照喜名)、父親は仙台市出身の衛さんで、渡辺さんはカリフォルニアで生まれた。
 現在はロサンゼルス郊外の都市バーバンクに居住。幼少のころから日本語に興味を抱き、週末を利用してパサデナ市にある日本語学校「あさひ学園」に通った。しかし高校入学時には普段の授業についていくだけで精いっぱいで、日本語学校に通う時間はつくれなかったという。

 ハイスクールではフランス語とスペイン語以外には外国語がなかったこともあり、日本語の勉強に励んだ時期の郷愁にかられ、「共同システム・バーレー学園」に入学した。
 高校卒業後、カリフォルニア大学サンタバーバラ校へと進学、社会学を専攻し、言語学やビジネスなどのクラスを選んだ。しかし1年がたったころ、大学の授業が自身にあまり合っていないことに気付き、いったん大学を休学することになった。悶々(もんもん)とした日々の連続であったという。
 その矢先、新聞の広告欄に「県費留学生募集」を見つけ、応募した。しばらくして琉大行きが認められたと沖縄県人会から連絡があった時には、家族みんなで抱き合って喜んだ。
 後日、渡辺さんは母親と一緒に県人会理事会にあいさつに訪れ、「何をしていいか分からない、迷っている時にこのような素晴らしい機会をつくってくださった沖縄県や沖縄の人々、そして私を選んでくれた北米沖縄県人会の皆さまに感謝いたします。沖縄の文化を学び、できるだけ多くの人々に接していきたい。将来、もっと日本語を学び、通訳や翻訳などで学んだことを生かしていける仕事に従事したいと思う」と喜びを表した。
(当銘貞夫通信員)