【アメリカ】ロス高級住宅街に新店 上地さんがレストラン経営


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米経済界の著名人や女優ら300人が駆け付けたオープニングパーティー=20日、ブレントウッド

 ロサンゼルス市郊外で2つのすしレストランを経営する上地勝也さん(47)=那覇市出身=の新しい店「KATSUYA」が6月26日、同市の高級住宅街ブレントウッドにオープンした。ロサンゼルスではすでにスターシェフとして名前が浸透している上地さんと、米大手投資株式会社、著名デザイナーが手を組んだ同店は、ロサンゼルスの新しい最先端スポットとして米大手メディアが取り上げるなど、早くも大きな話題を呼んでいる。

 店内の中央にダイナミックな炉端グリルをしつらえ、すしカウンター席とダイニングルーム、ラウンジ約170席のデザインを手掛けたのは、世界的著名建築家のフィリップ・スターク氏。「勝」の字をアクセントに、女性の目や唇などの写真を配した壁画や、水が流れているときに女性の顔が現れる仕掛けを取り入れたトイレの鏡など、店内の随所に斬新なデザインが施されている。共同出資は、北米を拠点に9つの最高級レストランを展開している「SBEエンターテインメント社」で、3者が手を組んだ「カツヤ」レストランは、ハリウッドやマイアミ、ニューヨークなど、北米規模で展開される予定だ。
 開店に先駆け20日に行われたオープニング・パーティーには、米経済界の著名人やハリウッド女優のサルマ・ハヤックさんら約300人が駆けつけた。「月に2回は勝也のスシを食べている」と話す元NBAバスケット選手のリック・フォックス氏は、「この店も新しいトレンドになること間違いなし」と話していた。
 東京や沖縄の一流レストランで修業した後、1984年に渡米し、97年に独立した上地さんは、従来のすしの概念から離れた新しいメニューを次々と生み出し、全米レストラン専門誌でも最高点を獲得するなどスターシェフとして活躍。その傍ら、実業家としても才覚を発揮している。
 「やるからには絶対的な自信を持って挑むことが大事」と話す上地さんは、約100人の従業員の指導にも厳しい采配(さいはい)を振るいながら、「将来的には豆腐ようやモズクなど、沖縄の食材を使用したメニューも実験的に取り入れていきたい」と意欲を見せている。
 オープニングに合わせて沖縄から駆けつけた父親の上地寛幸さん(69)は、「自分の目で世界の広さを見てきなさいと教え育てた息子の夢がアメリカで大きく花開いてうれしい」と笑顔で語った。
 (平安名純代通信員)