【ハワイ】多彩な芸能、沖縄満載 フェスティバルにぎわう


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盛大に催された沖縄フェスティバル。観客を魅了する琉舞=ワイキキのカピオラニ公園(写真下)野外舞台では三線や民謡が次々披露され、沖縄一色

 ハワイ沖縄連合会(比嘉ラバーンナンス会長)主催の24回目の「沖縄フェスティバル」が2、3の2日間、ワイキキのカピオラニ公園で盛大に開催された。ダイヤモンドヘッドのふもとにあるカピオラニコミュニティカレッジの駐車場から、会場まで無料シャトルバスが運行され、連日約50万人の人々を会場へ案内した。三線の音、太鼓の響、琉球舞踊のあでやかな色や揚げたてのサーターアンダギー、沖縄そばのにおいに酔いしれ、会場は沖縄文化一色となった。
 首里城の鮮やかな幕で飾られた野外ステージでは1日目、午前9時から午後5時まで、2日目は午後4時まで、ノンストップでプログラムが進行。
 地元の各研究所による琉球舞踊、沖縄のうた三線、エイサー、空手のデモンストレーション、そして沖縄系若手のミュージシャンによるハワイアンやポップスの演奏、バンドマスター仲宗根マイケル氏率いるロイヤルハワイアンバンドの演奏が披露された。
 ラジオ沖縄新唄大賞の受賞者、でいご娘、そして那覇太鼓のグループが沖縄から出演。民謡の歌声やパワフルな太鼓の演技で、大喝采(かっさい)を受けた。
 日本からハワイの大学や語学留学中の日本人学生の三線サークルも、今回初めてステージを飾った。
 会場の文化テントでは、子供の琉装記念写真撮影、ハワイ沖縄家系図クラブによる沖縄姓の研究の情報提供も行われた。
 また、池坊スクール(木田信子インストラクター)の生け花教室、盆栽や沖縄織物、漆器、そして画家・高良清吉氏の油絵の展示即売も行われた。
 ハワイ沖縄連合会が、次世代のためにハワイ沖縄センターの維持のため財政の開発として進めるキャピタルキャンペーンの資金集めとして、沖縄方言の辞書とCDを会場で販売した。辞書は、2001年に他界したハワイ大学の崎原貢教授によって書かれた「沖英辞書」で、ハワイ大学プレスから出版。そしてCD「ニフェーデービル」は、ハワイの宇良啓子アナウンサーが作詞、国指定重要無形文化財琉球古典音楽保持者の照喜名朝一氏が作曲し、高山朝光氏が企画をした。
 フェスティバル実行委員長の新川デイビット氏(次期会長)を筆頭に1万人以上のボランティアが働いた。ステージの設置やテントの組み立てなど約1週間前から着々と行われ、連合会に所属する52のクラブメンバー以外に、地元の大学生、高校生、医療機関、そして日本からの大学生もボランティアとして参加した。
 また、2日間にわたりハワイのラジオ放送局KZOOが、フェスティバルの模様を実況中継し、ハワイ全島へ放送した。晴天にも恵まれ、フェスティバルは大成功に終わった。
(名護千賀子通信員)