【アルゼンチン】移住100年目前 根付くウチナー文化


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かぎやで風を踊る元円の会の門下生たち=県人連合会館

 山本(旧姓比嘉)美佐子師匠が主宰する琉舞研究所「円の会」が9月30日、在亜沖縄県人連合会館で第5回おさらい会を盛大に開催した。
 おさらい会5回ともなれば世間に知れ渡るのか、この日の観客の3分の1はアルゼンチン人だった。これまで邦人の催し物の際には、観客はすべて日系人だけだったのだ。これが今回、一般のアルゼンチン人が入ってきた。ウチナー文化がアルゼンチン社会に知れ渡ったということだろう。
 ウチナーンチュがアルゼンチンに渡ってきた歴史からすると、当然のことかもしれない。2年後は移住100年を迎えるのだ。
 とはいっても、このウチナー文化を普及する人がいなければ100年たっても世間には知れ渡らないのだ。
 米須清文沖県連会長があいさつの中で述べたように、文化は持っていただけでは、何の役にも立たない。これをいかにして普及するかに価値があるものだ。この価値を発揮した者こそ、尊敬してしかるべきだろう。その1人が山本師匠だ。
 山本師匠は来亜当初からウチナー系の小さな子供たちを集め、ウチナーモーイを教え込んできた。もう40年余りになるという。そしてこれが今では2世、3世、4世の幼少年たちとなって「円の会」という琉舞研究になったようだ。
 当日のおさらい会では28演目が華やかに演じられた。アルゼンチンでは、ウチナー文化も1つの文化として認められ、生き続けていくだろう。
(新垣善太郎通信員)