【アメリカ】岸本奨学資金で訪問の名護高生 異文化を満喫


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名護高校生と沖縄県人会参加者ら。後列右端が岸本夫妻=岸本邸

 ロサンゼルス郊外に住み、ビズネスグローバル・ネットワーク販売会社を経営する岸本正之、多摩子夫妻がこのほど、名護高校生にアメリカ短期研修の機会を与えた。研修生を自宅に泊め、1週間にわたりロサンゼルス方面の娯楽施設や市庁舎、学校、美術館、博物館などの見学がスケジュールに入れられた。
 研修したのは名護高校1年生と2年生それぞれ4人の合わせて8人で、教師の仲宗根直子さんが引率した。
 最後の日に沖縄県人会とのフェアウェル・パーティー(さよならパーティー)が開かれ、約50人が一行と歓談した。
 パーティーの席上生徒たちは英語で自己紹介。8人全員で山本真未さんがリーダーとなって琉球舞踊「上い口説」を、大城研志朗君が空手を披露した。最後は2人がペアになって日本語の由来を絵にして、説明した。これはローリング・ヒルズ高校を親善訪問した時と同じような形式を採った。
 宇茂佐出身の山本菜々子さん(1年生)は「スケールがとても大きい。地元のローリング・ヒルズ高校を訪れた時、生徒一人一人が積極的に発言、行動して大変刺激を受けた」と感想を述べた。当日は正之さんの71歳の誕生日で妻の多摩子さん(東京出身)が用意したバースデーケーキをカットし、涙ぐみながら参加者に感謝を表した。
 岸本さんは奨学金米国短期研修の目的を将来を担う高校生が早い時期に外国生活を直接体験することにより異文化を理解し尊重する態度を養い、広い視野に立ち国際社会に貢献できる人材の育成を図るとともに、集団生活を通して自主・自立の精神と自他を思いやる心を培い、自分の将来の進路について考える機会を与えたいとして「今後は岸本基金を設立して末永くこの制度を続けていくようにしたい」と説明した。
 岸本さんは50代後半に同社を設立、成功を収めている。自身はテニアン生まれで、両親が名護市出身。昨年は宇茂佐中学校の生徒7人を招いた。(当銘貞夫通信員)