【アメリカ】琉球の独自性学ぶ ヤング・オキナワンズで初の歴史講演会


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琉球王朝について講演した前北米沖縄県人会長の比嘉朝儀さん(中央)=米カリフォルニア州ガーデナ市の県人会館山内ビル

 北米沖縄県人会の「ヤング・オキナワンズ・グループ」(ヒロシ山内部長)は、前県人会長の比嘉朝儀さんを迎えて、このほど県人会館山内ビルで、琉球の歴史に関する文化講演会とシンポジウムを開催した。同グループによる歴史講演会は初めて。3世、4世の若い世代ら約80人が出席した。

講演会には、元大学教授のロバート・マーティンさんや劇作家のジョン・城田さんなど文化人らの顔ぶれも見られた。
 ヤング・オキナワンズ・グループの会員、蔵重デービッド、エリコ夫妻の司会で進行し、琉球王朝時代に関するビデオテープを50分間にわたり観賞。比嘉さんが英語で県内の9つの世界遺産とその歴史について語った。比嘉さんは、城(グスク)とは王様の居城や墓、砦、貿易のための品物の貯蔵所で、御嶽とは神聖な地、集落を守護する神を祭る場所と説明。また琉球の歴史とは天孫王統、初代舜天王統から1879年の廃藩置県までとした。
 「ウチナーンチュとヤマトンチュの違いは何か」との会場からの質問に、比嘉さんは「琉球は独立国で中国や朝鮮、大和、東南アジア諸国と船で交易をし、さまざまな文化と品物を取り入れて独自の文化をはぐくんできた。皆さんにはその血が流れている。血は水よりも濃し」と力説した。
 また「独特な琉球の歴史と文化自体がウチナーンチュのアイデンティティーの1つとなっている」とも語った。ヤング・オキナワンズ・グループでは、第2回の講演会を2007年3月に行う予定だ。
(当銘貞夫通信員)