【ベルギー】プロの音楽家集う 儀部寛氏コンサート


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ベルギーの古都で開かれたシンフォニーコンサート。県出身の指揮者、儀部寛氏が指揮した=10月21日、ベルギーのアールスト

 ベルギーの古都アールストにある大きな教会、聖マティヌス教会で毎秋、シンフォニーコンサートが開かれる。大企業をスポンサーに大規模に行われるこのコンサートは、この町の人々のみでなく遠くからも駆け付け、いつも超満員である。何を隠そう、わたしもそのコンサートを楽しみにしている一人であり、ドイツ沖縄県人会の会員を誘って10月21日、ベルギーに向かった。

 プログラムはモーツァルトのジュピター交響曲とフォーレのレクイエム。演奏は、リタ・ピローン(ソプラノ)、ヨハン・ウィターシャウト(バス、バリトン)、ライヘンブルンオーケストラ、新アールスト合唱団、指揮は県出身でベルギー在住の儀部寛氏であった。
 3年続けてコンサートを聴いているが、毎年、オーケストラの質が上がってきているように思った。
 この町にこれだけのレベルのオーケストラがあるのかと驚かされたが、ほとんどの団員がアントワープ交響楽団団員であることが後で分かり、納得できた。儀部氏の実力を買って集まってくるプロの音楽家が増えているようだ。
 儀部氏の妻、リタ・ピローンさんが指導する町のアマチュア合唱団のプロのオーケストラにも見劣りしない好演も特出したい。彼女のソロ同様、無理のない自然な発声が醸し出すハーモニーはとても心地よかった。
 コンサートには、ドイツ沖縄県人会員以外に、はるばる沖縄からも儀部氏の同級生らが応援に駆け付けていた。
(キシュカート外間久美子)