【アメリカ】歴史伝承など議論白熱 劇作家の城田さん講演


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沖縄の歴史や文化について講演をするジョン城田さん=ガーデナ市の県人会館山内ビル

 ハワイ生まれの沖縄系2世で劇作家として活躍しているジョン城田さん(ロサンゼルス在住)が、10月1日、ガーデナ市にある沖縄県人会館で講演した。県人会文化部(徳永愛子部長)主催の文化講演の依頼に応えた。

 城田さんは「ラッキーカムハワイ」でジョンF・ケネディ劇作家賞を受賞。続いて「パイナップル・ホワイト」を出版。また「レイナニのハイビスカス」は沖縄、ロサンゼルス、東京などで公演、好評を博した。
 城田さんは昨年、日米友好協会および国立芸術基金財団の要請で6カ月間沖縄に滞在して、沖縄移民の研究をした。傍らで琉球大学の山里勝己教授の担当する「現代アメリカ文学」のクラスで1週間に1度、共同で「ラッキーカム―」を英語で講義した。
 今回の講演は、その6カ月間沖縄で過ごした経験から見た沖縄の文化、歴史などを中心として進められ、実際に肌で感じ、思ったことを、写真を交じえて説明した。またビデオを利用した解説も行った。
 会場には100人余が詰め掛けた。多くの2世、3世は、食い入るようにして講演を聞いていた。
 講演終了後は、ウチナーンチュとしての強いきずなはどこから来るのか、他府県人との名前や文化の違い、これまでの歴史をどう次世代へと伝えていくかなど白熱した議論も行われた。
 今年琉大を卒業、現在カリフォルニア大学アーバイン校で英語の勉強をしている仲程奈緒子さん(南城市出身)は「祖先が築いてきた沖縄文化、ユイマールの尊い精神をどう次世代へとつなげていくかを考えさせてくれる今回のような機会が今後も望まれる。そこで感じた感想や経験が次世代へと伝わる新たなアイデンティティー形成へとつながっていくのではないだろうか」と、感想を述べた。
(当銘貞夫通信員)