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肌寒い秋曇り空の下、4万人に近い走者が号砲で一斉にスタートを切った―。ニューヨーク市最大のイベント、ニューヨークシティー・マラソンが5日行われた。
同市発表によると、約4万人の参加者とともに20万人以上が同市を訪れ、沿道を埋め尽くす人々は100万人となるという。交通整理や警備に当たる警察、救急設置、給水所、報道、ボランティア、運営委員を含めると200万人がかかわる大マラソン。アメリカ50州に加え、多くの国から参加している。
特に、義足のランナー、島袋勉さんの走りに大勢の観衆は感動の渦に巻き込まれた。沖縄から来たことを知ったポーランドの年配の男性は、「戦争で多大な犠牲者がでたあの“オキナワ”か」と感激もひとしおの様子だった。
6日付ニューヨーク・タイムズ紙のマラソン特集号には、島袋さんのランニングシーンが掲載された。また、スポーツ界や一流紙は車いすや義足の走者をアスリートとして、トップ選手と同等に扱っていた。
島袋さんは久米島マラソン直後の痛みや疲れを背負いながらも記録更新こそ逃したが、大歓声の中、堂々と笑顔でゴールインした。伴走した妹の智美さんは「昨年に続く2度目の出場でした。今回はニューヨーク在住の方々で結成されたサポーターのおかげで元気よく完走することができました」と笑顔で語った。
(比嘉良治通信員)