玉三郎、華麗 組踊沖縄公演で熱演


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尚真王の妹・音智殿茂金役の坂東玉三郎さん(右)と伊敷里之子役の川満香多さん=15日、浦添市の国立劇場おきなわ

 芥川賞作家の大城立裕さんが書き下ろし、歌舞伎女形の人間国宝・坂東玉三郎さんが主演する新作組踊「聞得大君誕生(ちふぃじんたんじょう)」の沖縄公演が15日、国立劇場おきなわで始まった。17日まで。入場券は完売している。華麗な衣装で登場した坂東さんはあでやかな雰囲気で舞や高音の唱えを披露。共演者の若手琉球芸能実演家も一体となって熱演した。

 物語は尚真王の妹で坂東さん演じる音智殿茂金(うとぅちとぅむいがに)と組踊立方の川満香多さん演じる伊敷里之子(いしちさとぅぬし)が身分違いの恋に落ちる。
 玉城盛義さん演じる兄・尚真王の命を受けた音智殿茂金は各地の神女をまとめる初代聞得大君となる。
 鑑賞した作家で琉大教授の大城貞俊さんは「歌舞伎の玉三郎さんが組踊に挑戦し、沖縄の文化をもう一度見直す契機になる。沖縄の役者たちも光っていた」とたたえた。祝嶺恭子さん(75)=那覇市=は「(坂東さんは)踊りも板についていた。一流の人は何をやっても素晴らしい」と感銘した様子だった。