卒業生、地域で祝福


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◆思い出を胸に一人で巣立つ/奥小・外間南さん
 【国頭】国頭村立奥小学校(新田宗則校長)で18日、卒業式が行われ、ただ一人の卒業生外間南さん(12)が6年間の思い出を胸に学びやを巣立った。家族や在校生、地域住民らに見守られる中、門出に立った外間さんは「将来の夢はパティシエ。みんなを幸せにするケーキを作りたい」と笑顔で語った。

 卒業式は温かな雰囲気で進められ、外間さんは父進さん(53)と母智子さん(54)らが見守る中、卒業証書を手にした。新田校長は式辞で「中学では出会いが待っている。在校生はすてきな先輩を見習ってほしい」と語った。
 PTA会長を務める母智子さんがあいさつに立つと、笑みがこぼれた外間さんだが、在校生と送別の言葉を交わすと、涙ぐむ場面もあった。
 卒業の花道を送られた外間さんは「運動会や宿泊学習、お茶摘みが楽しかった」と振り返り「中学では部活と勉強を頑張りたい」と目を輝かせた。

◆3年ぶりのお祝い盛大/北国小・浦崎、上原さん
 【国頭】在籍5人の国頭村立北国小学校(川口正一校長)で18日、3年ぶりの卒業式が催され、地域住民らが祝福する中、浦崎由美さん、上原鈴々さんの2人が学びやから巣立った。
 卒業式には保護者だけではなく、住民や今年卒業生がいない隣接校の佐手小児童7人も参加した。
 「卒業おめでとう」の垂れ幕が入ったくす玉で卒業を祝った。式終了後の花道では、卒業証書を手に歩く2人に、花やお菓子で作った冠など祝福の品が次々に手渡された。
 6年間通った小学校を卒業する浦崎さんは「寂しかったけれど、中学に入ったら友達をたくさんつくって楽しく過ごしたい」と笑顔で話した。
 6年生の5月に辺土名小から転校してきた上原さんは「こんなに人数が少ない卒業式は初めてだけど、人数が少ない代わりに盛大にお祝いしてもらってうれしい」と喜んだ。
 赴任して2年目の川口校長は「子ども一人一人の存在の大きさをあらためて感じた。地域で大切に育てられていることが実感できた」と地域の協力に感謝した。

<一人の卒業式>家族や在校生、地域に囲まれて花道を通る笑顔の外間南さん=18日、国頭村立奥小学校
3年ぶりの卒業式で住民らの祝福を受ける(左から)浦崎由美さん、上原鈴々さん=18日、国頭村立北国小学校