天国の母に晴れ姿 國仲君、長友選手とW杯入場


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長友佑都選手と手をつないでピッチに入場する國仲藍夢君(右)=19日、ブラジルのナタル

 【宮古島】19日午後7時(日本時間20日午前7時)にブラジルのナタルで行われたサッカーワールドカップ(W杯)日本対ギリシャ戦で「マクドナルド・エスコートキッズ」に選ばれた宮古島市に住む國仲藍夢君(9)が長友佑都選手と手をつなぎ、ピッチに入場した。

憧れの長友選手との入場に「緊張したけど興奮した」と喜びを爆発させた。
 藍夢君は全国約1万人の中から選ばれた、11人のうちの1人。同行した父・朝昭さん(34)らによると、藍夢君は入場間際、長友選手に宮古島から来たことをPR。「頑張ってください」と伝えると、長友選手は「うん」とうなずいた。堂々と入場した藍夢君だが、役目を終えて戻ると「スタジアムの雰囲気がすごすぎて怖かった」と話し、足の力が抜けた様子だったという。
 「涙が出そうになった」と朝昭さん。藍夢君の母・尚子さんは1月、妹を産んだ数時間後に羊水塞栓症で亡くなった。藍夢君は応募に当たって提出した作文で、「一ばんおうえんしてくれた天国に行ったお母さんにもみせたい」とつづっていた。
 朝昭さんは「(藍夢君は母が亡くなって以降)落ち込んだと思うが、妹もいる手前、我慢しているように見えた」と振り返る。「長友選手と手をつなぎ、プロの試合を初めて生で見たことは大きな励みになったと思う」と語った。藍夢君の通う宮古島市立東小学校では地元サッカーチームのマティダ東FCのメンバーらが試合を見守った。