40年ぶり棚田再生 国頭村奥、住民ら田植え


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奧川の下流に整備した棚田で楽しそうに田植え作業をする住民ら関係者。作業をしている奥に段差の低い田が並ぶ=29日、国頭村奧

 【国頭】国頭村奧で、およそ40年ぶりに「棚田」が戻った。農林水産省の補助事業を活用して整備した。29日、棚田復活に取り組んだ奧、楚洲両集落の住民や県内外の関係者らが参加し、田植えをした。

奧川下流域に設けられた棚田で、子どもから大人までが「実りの秋」に思いをはせながら楽しそうに汗を流した。
 整備された棚田は約830平方メートル。隣接する田んぼでは10年ほど前から地域児童が米作り体験を行ってきたが、住民らが地域おこしなどを目標に、棚田再生を実現させた。環境保全活動などに取り組むNPO法人仕事人倶楽部(東京、山田洋司理事長)が協力した。
 田植えは奧区と奧・楚洲地域づくり共生対流協議会(糸満盛也会長)が主催した。およそ30人が参加し、ちゅらひかりを植えた。棚田はオーナー制で、同協議会が栽培を担当していく。都市と農村の交流を一つの目的にしており、オーナーは首都圏や県内他地域にまたがっている。糸満会長(63)は「地域資源を掘り起こし県内外との交流を図っていきたい。雇用効果にもつながってほしい」と期待した。