【アメリカ】ミシェル山城さん選任/ジュニアスタディーツアー


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ジュニアスタディーツアーに参加することになったミシェル山城さん。県人会芸能部の公演にも参加している=トーランス市のアームストロング劇場

 今年のジュニアスタディーツアー参加者にアメリカ大陸から5人が選ばれ、そのうちロサンゼルス地域からはミシェル山城さんが選任された。
 ミシェルさんにとって、まだ見ぬ曽祖父母の出身地、夢に何度も出てきた沖縄の島々。夢を実現できる日がやがてやって来る、ルーツを探し求める日がやって来るのである。曽祖母は17歳で故郷の久米島を後にして、より良い生活を求めてペルーへ移住。苦難の日々の中でもいつも沖縄の民謡を口ずさんでいたという。

 沖縄県観光商工部交流推進課は本年度のジュニアスタディーツアー海外参加者を募集、14歳から18歳までの中高校生を対象として、海外参加者17人、海外引率者5人、沖縄県内参加者18人の合計40人を発表した。7月14日から27日まで、ホームステイなども含めて、自然や歴史、文化、平和などのプログラムを取り入れて、ジュニアたちに体験学習を実施する予定。
 ミシェルさんの両親はペルーのリマ市生まれで、のちにアメリカへ一家で移住した。ミシェルさんはアメリカ生まれの日系4世。現在高校1年生で、学校では演劇、テニス、ガブリオ海洋博物館のガイド、クラブ活動は日本語部長を務めており、創設者でもある。
 週末には真境名愛子琉舞道場で琉球舞踊の練習に励む。「加那ヨー」などを踊っていると、曽祖母が自分の手を取って一緒に踊っている様がまぶたに浮かんでくるという。弟は石原民謡研究所で三線を習っている。歌手のアルベルト城間さんは叔父にあたり、ミシェルさん自身は「ビギン」の「島人ぬ宝」が大好きだ。
 「ツアーが終わったら本を書きたい。私の家族には知らないことがたくさんあるので、私の心の古里『沖縄』についての情報を記載してみんなに読んでもらうつもりです。沖縄の文化の素晴らしさを多くの人々に紹介したい。将来は小児科の医者になり、国境なき医師団の一人になって、世界の病む子供たちを助けたい」と、ミシェルさんは目を輝かせた。
(当銘貞夫通信員)