<シカゴ県人の助っ人>中


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沖縄文化のアピールに一役買っているルース・アン・キーソーさん(左)琉舞など、初めての舞台を「楽しくやれた」と話す伊東義子さん(右)

◆三線演奏に琉装、初舞台を楽しむ/伊東 義子さん(名古屋出身、31歳)

 音楽大学で声楽を専攻し、コーラスの指導や歌い手として音楽関係の仕事をしていた伊東義子さんは、結婚と同時に夫の仕事の関係で、シカゴにやって来た。
 日本のスーパーに買い物に行った時、たまたま聴こえて来た三線の音にひかれ、県人会の三線グループが熱心に練習しているけいこ場をのぞいた。そして、メンバーから「弾いてみて」と三線が渡された。
 「やってみたいと思い、その日のうちに、その場で三線を買った」と伊東さん。「自分がやっているクラシックの歌い方と全く違うので沖縄音楽は難しい。沖縄の人は、小さいころから沖縄の調べを聴いているので、歌い回しが分かっていて、うらやましい」と話す。
 昨年、沖縄のかりゆし会との合同公演で「ウシンチー」で着る絣(かすり)の着物、沖縄カンプー、舞台化粧、三線演奏とすべてを初体験。「緊張もなく、楽しくやれた」とさすが舞台慣れしている伊東さん。琉装姿は、なかなかのものだった。

◆県人会とともにエイサーを披露/ルース・アン・キーソーさん

 2年前、3世代9人の沖縄女性の戦後をたどった著書「沖縄の女性」を上梓(じょうし)したルース・アン・キーソーさん。昨年、シカゴ県人会と沖縄のかりゆし会との親ぼく交流公演で琉球舞踊と祭り太鼓の演舞を披露した。
 沖縄カンプーを結い、舞台化粧を施したルースさんの琉装は「つややか」の一言。「琉舞を習って三年。祭り太鼓のパーランクーと共に週一回練習している。その日は、けいこ以外にもメンバーたちとのおしゃべりや食事が楽しい」と笑顔を見せる。
 ルースさんは、全寮制の私立高校で機関誌を発行している。各分野で活躍する卒業生を取材し、原稿を書き、編集のすべてを担当する。そこの学校では、年に一回行われる各国の文化を紹介する国際フェアがあり、ルースさんもシカゴ県人会の祭り太鼓グループと共にエイサーを紹介。沖縄文化のアピールに一役買っている。これまでシカゴ沖縄県人会の機関誌の編集にも携わってきた。
 (鈴木多美子通信員)