【ペルー】伝統芸能保存継承へ 後継者育成で13人を表彰


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長年にわたり沖縄伝統芸能の保存・継承に貢献し、県人会長から感謝状が贈られた功労者たち=県人会館

 来年1月に移住100周年を迎えるペルー沖縄県人会(真栄城エンリケ会長)の恒例のウチナー演芸会が24日、沖縄県人会館西銘順治大ホールで催された。会場は観客で満員となり、盛況だった。
 今回の演芸会は移住100周年記念行事の一環として位置付けられて開催された。会場には来賓として在ペルー日本大使館の谷地房一領事、ペルー日系人協会からフェルナンド末永渉外部長、比嘉邦子ペルー日系婦人会長、野田末子神内センター所長、照屋光子ペルー沖縄婦人会長らが顔を見せた。今年で46回目を迎えたウチナー演芸会は、沖縄の伝統芸能を保存、継承していくのが大きな目的だ。

 第1部はペルー野村流保存会のメンバーによる歌・三線と、県費留学生らの踊りで「かぎやで風」「恩納節」「辺野喜節」「中城はんた前」で開幕。13組のプログラムで在ペルーの各市町村人会からえり抜きの踊り手や、歌・三線の技巧者らが芸を披露し、会場いっぱいの観客を魅了した。
 2部では、これまで長年にわたり演芸会の歌・三線、太鼓、箏を演奏してきたペルー野村流保存会のメンバーや、県人会演芸部の部長として沖縄の伝統芸能を継承・発展させてきた13人の功労者を表彰した。表彰式で真栄城会長は「これまで沖縄の伝統的な歌・三線を保存し、また継承されてこられた皆さまの功績は大で、そのおかげで今では3世、4世の子供たちも沖縄の歌・三線に大いに関心を持って、県人会の学習塾で手ほどきを受けている」と感謝した。
 被表彰者を代表して名幸芳貞元演芸部長は「これまで演芸会を支えてこられた地謡の皆さんも高齢化が進み、将来が心配されていたが、県の留学生受け入れ制度で県立芸術大学で歌・三線を学んで来た青年たちの台頭で、その心配が全くなくなった」とあいさつ。母県の留学生受け入れ制度に感謝し、会場に詰め掛けた観客にも感謝した。
 2部では、数年前、アルゼンチンから嫁いできて、現在ペルーに住んでいるエリカ与那嶺・比嘉さんの洗練された舞踊で幕が開き、10組のプログラムが紹介された。今回は特別に北中城村人会の青年部によるペルー民族舞踊「サヤ・サヤ」も披露され、喝さいを受けた。最後は観客も交じっての「カチャーシー」が行われ、演芸会は盛況裏に幕が閉じられた。
 (赤嶺光弘通信員)