【フランス】紅型デザインに注目/国際服飾見本市に県出身者も出展


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(上)沖縄の紅型を現代風に取り入れた「ヨーカン」の田仲さん(左)、山内さん=パリ市、ポルト・ド・ベルサイユ展示会場 (下)男性用のアクセサリーなどを発表した赤嶺さん

 2日から5日までパリ市内で開かれていた「国際服飾見本市・PREMIERE CLASS PARIS」に県出身者も出展し、世界中から集まったバイヤーらの注目を浴びた。

 那覇市内にアトリエを持ち、県内、全国のセレクトショップで服、靴が販売されている「YOKANG(ヨーカン)」の田仲洋さん(36)と山内カンナさん(32)。また那覇市出身で東京を拠点に海外にも作品を置いている赤嶺勤さん(48)の2組だ。紹介されたものは伝統工芸を生かしたものや、自然の素材を取り入れたものが中心。
 「YOKANG」は、田仲さん、山内さん夫婦のブランド。田仲さんは染色家、山内さんはデザイナー。紅型をエアブラシを用い、スニーカー、Tシャツ、パーカーなどに現代的にアレンジし、国内でも根強い人気がある。
 2人が外国で作品を発表するのは初めて。そのユニークな手法は外国人バイヤーの目に留まり、イギリス、デンマークの会社と契約ができた。「洋服のデザインに紅型を取り入れ、その伝統の美しさを若い人に広めていきたい」と2人は語る。
 この展示会、「招待」として出展した赤嶺さんは靴のデザイナーで、すでにフランス、イギリス、イタリアに作品を出している。「AKA INTERNATIONAL INC」(東京)の代表者でもある。今回は同社のブランドの1つメンズの「SHANK(シャンク)」を出展した。革の風合いを生かしたアクセサリー、小物を発表した。
 赤嶺さんは1986年から93年まで、パリに滞在。89年にはパリの5区に店を出した。しかし、湾岸戦争などの諸事情から店を閉め、日本に帰った。
 日本に戻ってからもパリでは、年に2回作品を発表している。現在、バリ島に工場があり、商品を製作している。来年の夏には沖縄にも工場を造る予定だ。
 (又吉喜美枝通信員)