【アメリカ】研修生の日本派遣援助/夏川りみ公演開催/オーロラ基金


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公演を前に記者会見に臨んだ阿岸明子オーロラ基金会長(左)と夏川りみさん=リトル東京のホテル・ニューオータニ

 1、2日にロサンゼルスの日米劇場で夏川りみコンサートを主催した「オーロラ基金」。同基金は、アメリカで日本語教育に携わる教師、大学院生を援助、育成することを目的として1998年に設立された非営利団体である。
 基金創立者の阿岸明子会長はこれについて次のように語っている。
 「30年前に私は、フルブライト留学生としてカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で博士号を獲得した。卒業後アメリカでエンターテインメント・ビジネスを設立、現在も継続している。主人の阿岸充穂はプロのカメラマンで仁科会友として日本とアメリカ両国で数々の作品を発表してきたが、人生半ばわずか41歳で不慮の事故に遭い、亡くなってしまったのです。それは1976年のこと。私は彼の描いた夢を身近に感じていたいと思っており、またアメリカの皆さんに大変良くしていただいた恩返しにこの基金設立を思い立ったのです」
 奨学生は、日本で2、3カ月間の居住体験および国際交流基金日本語国際センターにおける短期研修プログラムなどに参加できる。対象となる奨学生は、日本語を母国語としない現役の日本語教師または日本語教育を専攻している大学院生となっている。

 奨学生を日本に派遣するために同基金財団は基金募集のため、もろもろのイベントを開催しているが、中でも最大支柱となっているのが、日本の有名歌手がロサンゼルスでコンサートを開催することにある。これまで、さだまさし、森山良子、イルカ、加山雄三、加藤登紀子さんが招請された。
 今回、夏川りみさんの公演に先駆け、9月29日に合同記者会見が行われた。
 席上、阿岸会長は「りみさんが森山良子さんと一緒に歌った『涙そうそう』に深い感銘を抱き、いま上り坂の夏川りみさんにお願いしました」と今回の招請を説明。ロサンゼルスは初めてという夏川さんは「アメリカで歌えるということは私の夢であったし、実現できてとてもうれしい」と感想を話した。
 三井エージェンシーの三井健生社長は「近い将来、夏川りみさんの海外進出も考えていましたが、こんなに早く実現するとは思わなかった。長い下積み期間がありましたが、日の目を見るようになり、今日があるわけです。彼女の歌がアメリカの人たちにどう伝わるかが楽しみです」と語った。
(当銘貞夫通信員)