【アルゼンチン】「合併問題」に難題/在亜うるま市結成なるか


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
うるま市合併について、アルゼンチン内での対応を話し合った平安名同志会、宮城島同志会、具志川市民会の幹部有志

 いま日本全国で市町村合併が盛んに行われているが、海外移住国では、母国のようにはいかないので困っているというのが実情だ。沖縄ではうるま市などが合併しているが、アルゼンチンでは、いまようやく関係者が集まって話し合いを始めた段階で、平安名同志会、宮城島同志会、具志川市民会の幹部有志はこのほど、どのように合併したらよいか、話し合いを持った。

 うるま市は、石川市、具志川市、勝連町、与那城町の2市2町で合併しているが、まずアルゼンチンでは石川市出身者が一人もいないということと、勝連町と与那城町が一部の字単位で組織している上に、平安名同志会と宮城島同志会がそれぞれ会館を持っており、問題を複雑化させている。
 例えば、会館を持っているということは、それだけ購入に際して経済的にどれだけ負担してきたか、当事者でなければ分からないといった問題。そうした問題を無視して簡単に合併することはできない。その点、問題解決は容易ではなさそうだ。
 また、アルゼンチンの移住形態が親せき呼び寄せ移住だったために、親せき同士の集まりの傾向が強い。そうした状況の中で、合併ということで見知らぬ人と交わらなければならないということも、精神的負担と言える。
 特に平安名同志会のように、人口が中城村人会の次に来る大所帯になっているところと合併するとなれば、他の負担は大きくなる。
 佐敷町、知念村、玉城村、大里村で合併する南城市についても、同様の問題を抱え困っているという。特に“先輩方”は、万難を排して合併に取り組まなければならないだろうと考えているようだ。(新垣善太郎通信員)