【ベルギー】儀部氏指揮で演奏会/ドイツ県人会員も鑑賞


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聴衆を魅了、コンサートを成功させた指揮者の儀部寛氏(中央)

 ベルギー在住の儀部寛氏の率いるライヘンブルン・オーケストラとアーレスト・ニュー室内楽合唱団による演奏会がこのほど、アーレストのサンクト・マルティン教会で開かれた。
 演奏会は、町ぐるみで大々的に行われている。今年の曲目は、モーツァルトの「ザルツブルクシンフォニー第三番」と、レクイエム。大きな教会を埋め尽くす聴衆の数などが、儀部氏の力量を示しているようだった。
 音色、そして音楽の根底に流れる魂を大切にする儀部氏の音楽作りにいつも感心させられるが、この日も、感動の演奏だった。

 オーケストラの柔らかい音色はもちろん、特筆すべきは、合唱団の素晴らしいアンサンブル。一人一人の声が、天井あたりで溶け込み、聴衆の方へ降りて来るといった響き。セミプロとは思えない、プロ顔負けの最高の合唱だった。
 この町ぐるみの儀部氏指揮によるコンサートは、たくさんの企業の寄付金で行われるという。大掛かりなコンサートで、アーレストの住民だけでなく、その日のために遠くからも客が駆け付けるという。ドイツ沖縄県人会の有志7人も会場に出向き、声援を送った。
 儀部氏らの長年の地道な活動が認められ、フランスのコンピューター関連会社ブルの目にも止まったようだ。このアーレストのコンサートの3日後、10月25日にブル主催のコンサートがブリュッセルで開催され、大成功だったという。
 国賓が必ず訪れるというブリュッセルの由緒あるコンサート会場「Le Concert Noble’」でのコンサートというから大変なもの。昨年大病を患って心配された儀部氏だが、大コンサートを連続して無事にやり遂げたことから、今後の活躍が期待できそうだ。
 (キシュカート・外間久美子ドイツ通信員)