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 「佐渡島」「佐渡ケ島」 「さどしま」「さどがしま」 使い方、読み方正しいのは?(新潟日報提供~JODパートナー社から~)


 「佐渡島」「佐渡ケ島」 「さどしま」「さどがしま」 使い方、読み方正しいのは?(新潟日報提供~JODパートナー社から~) 「佐渡島」「佐渡が(ケ)島」「佐渡」といった表記のチラシなどのコラージュ
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「佐渡島」と「佐渡ケ島」の表記はどう使い分けるの? 読み方は?。金山の世界遺産登録で注目されている新潟県佐渡市だが、両方の表記を目にした新潟市中央区の男性(62)から、新潟日報の「もっとあなたに特別報道班」(もあ特)へ質問が寄せられた。確かに気になる。調べてみた。

 男性は、家電量販店でもらったカレンダーに「佐渡島」、インターネットや雑誌などに「佐渡ケ島」とあったのを見て疑問を持った。自身は前者を「さどしま」、後者を「さどがしま」と読んでおり、島民の読み方も気になったのだという。

 佐渡の呼称を巡っては2008年に佐渡市内で討論会が開かれている。ただ、結論は出なかった。国土地理院などがまとめた地名集は現在も、「佐渡島」と表記し、読み方は「さどしま」。国土交通省は「佐渡島」で、「さどがしま」としている。

 佐渡市在住の映像制作会社社長の男性(47)は6年ほど前、佐渡を紹介する映像を作った。その際、「さどしま」とナレーションを入れると、「そんな呼び方はしない」「『さど』や『さどがしま』がしっくりくる」と多くの“ネーティブスピーカー”から異論が出たという。

 島の玄関口である佐渡市の両津港付近には、「佐渡が島」と記した石碑があったし、知人の両津高(13年閉校)の卒業アルバムの校歌には「佐渡ケ島」の表記があった。新潟市中央区の佐渡汽船乗り場にある看板やチラシには「佐渡島」「佐渡」が多かった。

 佐渡市に問い合わせてみると、「庁内で表記のルールはない」。市のホームページ(HP)には「佐渡島」「佐渡」が多い印象か。佐渡観光交流機構は「ルールはなく、使い方はケース・バイ・ケース。公的な文書には『佐渡島』を使う」そうだ。

 ここである資料に出合った。佐渡市が発行した2007年11月号の「市報さど」。佐渡伝統文化研究所(現佐渡学センター)によるQ&Aコーナーに解説があった。

 これによると、1897(明治30)年に出版された「日本水路誌第四巻」に「佐渡島 Sado shima」とあり、これが「さどしま」の由来ではないかと指摘している。

 一方、「佐渡ケ島(さどがしま)」という表現については、1965(昭和40)年ごろから観光ポスターやパンフレットに使われるようになったという。観光地のイメージ戦略として使われたようで、これを地元でよく使われている呼称として公的機関が判断したため、「さどがしま」も使われるようになったのではないかと分析していた。

 ちなみに、県や佐渡市などが進める世界遺産登録推進活動では、「佐渡島の金山」として「さど」と読んでいる。県文化課によると、「Sado Island Gold Mines」の英語表記に合わせ、島にある金山であることを強調したため、島の文字を付けた表記になり、読み方は地域の一般的な呼び方である「さど」にしたという。

 確かに県外や国外の人の中には、佐渡が「島」であることを知らない人もいるだろう。島民の慣れ親しんだ言葉も大切にしたい。表記の仕方も読み方も決まりはないようだが、場面によって使い分けるのがよさそうだ。

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