猪突(ちょとつ)猛進過ぎた、私の今年の1年。夫婦別姓を貫くためにペーパー離婚をし、本の執筆に力を注ぎ、発売日の4日前に事故に遭う。3カ所を骨折し、寝たきりの2カ月間。回復したら国内だけでなく、外国での講演活動にも追われながら師走を迎えました。
2カ月寝たきりになったのが本当によかった!
骨折は痛かったし、汚物で汚れたシーツを代えてくれない病院の対応にはがっかりしたりし、役所と交渉してヘルパー時間数を増やしたり、大変なこともあったけれど。「サポートが受けられたら、どんな状態でも生きていける」と実感したからです。自分が必要なことを伝え続けて、手を貸してもらうのは疲れます。
でもそれしか生きる方法はありません。一にも二にも、回りを信頼して頼りまくる。改めて自分が障害者であることを感じ、またその素晴らしさに気づきました。
私がまったく動けなくても、子どもたちは私のことが大好きだし、コラムは寝ながらでも書けます。
本の出版記念イベントは延期になり、迷惑もかけてしまいましたが、本は書き終わったので売れるのを祈るのみ。寝ながらだってできました笑!
そして元気になって活動を再開でき、「休んでも、どうにかなる!」と証明できたのです。自分を大事にすること、休むことを、回りに伝えたいと思っている私にとっては、棚からぼたもちの経験!? 休めない人、休むのが怖い人はたくさんいると思いますが、休んでも意外と大丈夫ですよ。私は回りのサポートと理解があって、恵まれていたのかもしれませんが、休むことって大事だし、案外どうにかなるのです。
人は得意なところと同じだけ苦手なことがあるし、人生もいいことと悪いことの繰り返し。私は歩けないけれど、車いすのおかげで目立って覚えてもらいやすいし、自分なりのやり方で工夫して毎日過ごしてきたので、周りと自分を比べることをあまりしません。そんな私に「強い人だね」と声を掛ける人もいますが、それしか前に進む方法が分からなかっただけ。だってうまくいかないことは毎日起こるんだもの。
ただ、雨の日に事故に遭ったので、今でも雨の日は気が張り詰め、とても疲れるのです。だから雨の日は無理をしない、遅れてもいい、場合によっては用事を断ってもいいと考えるようにしています。不安や緊張があると、事故にもさらにつながりやすいですよね。
みなさんはどんな1年でしたか? お疲れの方は少しでも休めますように! 良い年をお迎えください。
(次回は1月7日に掲載します)
伊是名夏子
いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。
(2019年12月24日 琉球新報掲載)