苦渋の決断をしながら1年を生き抜いた自分を褒めよう 100cmの視界から―あまはいくまはい―(93)

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不安の尽きなかった2020年度がようやく終わりを迎え、安堵の気持ちでいっぱいです。新型コロナウイルスの影響で、予定は次々と変更され、生活スタイルが大きく変わりました。医療従事者への感謝は言葉にならないくらいですが、行政の方をはじめ、力を尽くしてくださった方々はたくさんいると思います。そして特に何をしたわけではないと思っている、私たち一人一人も、この未曾有の一年を生き抜いたことを、心から褒めてみませんか?

私は幼稚園と小学校に通い集団生活を送る子どもと、人混みの中を都心まで通勤する夫、生活を支えてくれる合計10人のヘルパーさんと過ごす毎日で、人との接触が減らしにくい毎日です。少しでもリスクを減らすため、ボランティアの受け入れはやめ、友だちと会ったり、外出は大幅に控えたりしています。

たくさんの情報がある中、どうやったらリスクが減らせるのかと悩み、いろいろな考え方がある中で、何を基準に決断したらいいのかと苦しみました。そして医療崩壊が起きた時、障害のある私はどうしたらいいのかと怯(おび)えました。細かいことが気になり緊張が続いているので、この一年、心の底から安心して休むことはできていません。心と体が緩んで発熱でもしてしまったら、感染を疑わないといけず、油断はできないと感じているからです。

今から振り返ると、手を洗わないでご飯を食べたり、アルコール消毒液なんて買ったことなかった、1年前までの私の生活は、何とも平和で、衛生管理がずさんだったな、と思わざるを得ません。大好きな旅行ももちろんできません。


社民党の常任幹事になったので、国会向かいの参議院会館によく行きます

これからもウイルスとの共生は続くし、それ以外の新たな苦しみが訪れるかもしれません。でもまずはこの一年、苦渋の決断をしながら生き抜いてきた私たちの賢さと、強さを誇りに思いたいです。特に成長が目まぐるしい子どもたちと若者にとっては、貴重な一年なのに、楽しみを次々と奪い、中止にしたことが申し訳ないです。我慢をし、協力してくれてありがとうございます。

補償対策や医療体制など改善すべき点はたくさんあります。この一年の苦しみを無駄にすることなく、安心できる体制を求め、いい変化のある新年度を作りましょう。コロナのなかった頃をただ求めるのではなく、いろいろな選択肢を用意し、さらなるピンチも乗り越えていきましょう。


(次回は4月6日掲載)



伊是名夏子

いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2021年3月23日 琉球新報掲載)

 



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