SNSで違法薬物が買える? 犯罪に加担しないために手口を知ろう -モバプリの知っ得![127]


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今年2月、本島南部の高校3年生(当時)を含む3人が「覚醒(せい)剤取締法違反」で逮捕されていたことが分かりました。この件でショッキングだったことは、逮捕された3人は覚せい剤を使用目的ではなく、販売目的で所持しており、SNSを使って売買を繰り返していたとのことです。

若い世代が違法薬物を入手し検挙される件数は年々増えています。違法薬物の売人は、SNS上で「隠語」※1を使って商品の宣伝を行い、中高生は日常的に利用するSNSアプリで、すぐに違法薬物を購入できてしまうのです。今やSNSは、国や県などの公的機関や政治家、芸能人など誰しもが活用している公共性の高いツールとなっていますが、一方では犯罪も行われている側面も持ち合わせています。

SNSで売人と接触した後、匿名性の高いメッセージアプリでやり取りを引き継ぎ、警察の捜査を混乱させます。こうした手口で犯罪に誘い込むのは、違法薬物だけではありません。「闇バイト募集」「高額収入」と呼び込み、結果的に振り込み詐欺のメンバーとして犯罪に参加させられる事件もありました。SNSには落とし穴がいっぱいあるということです。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

こうした事件に巻き込まれないために取れる対策は3つあります。まずは「手押し」などの隠語を、SNSアプリでミュート登録すること。そうすると隠語を含んだ投稿が表示されなくなります。次に犯罪の「手口」をニュースなどで知ること。そうすることで身近に発生した際に警戒することができます。最後は犯罪に引っ張られないように心の状態を安定させることです。人は余裕がなくなると冷静な判断ができません。落ち込んだり、追い込まれている時など自分の心の状態をうまく察知し、余裕がない場合はSNSやスマホと距離を置くことも有効な手段です。SNSに引っ張られる可能性を絶って、違う趣味を持つなど別のリフレッシュ方法を持っておくのも手の一つです。

※1 隠語 … 大麻は「野菜」、覚醒(せい)剤は「アイス」、直接会って受け渡しを行うことを「手押し」などと言い換え、バレにくく、そして親近感を覚えさせる表現を使います。

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」5月2日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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