以前、おまわりさん人形の調査をされていましたが、そのときは確認した12体のうち6体の写真だけ掲載していましたよね? それぞれ制服の色やデザインが違っていて面白かったので、他のおまわりさん人形も見たいです。
(宜野湾市 初恋はたぶんおまわりさん)
おまわりさん人形については、昨年の6月18日付で紹介しました。あれから1年がたつんですね~。おっしゃる通り、前回は半分だけしか掲載できなかったので、調査員は心残りでした。それでは、ご要望にお応えして残りの6体を掲載するとともに、新たにうるま市で確認した2体のおまわりさん人形も紹介します!
南部で見つけた人形
そもそもおまわりさん人形って何? と思っている読者の皆さんに説明します。それは、旧東風平村の故・中村信彦さんという人がセメントで作ったおまわりさんの人形です。子どもたちの交通事故の話を聞くたび胸を痛めていた中村さんは、交通安全を願い「おまわりさん」を作ろうと1969年から約6年で120体以上制作。県内各地に設置されました。いまでは20体いるのかいないのか? といった状況かと思われます。
ではさっそく、6体のおまわりさん人形を紹介します。
①おたふくさん? 東風平公民館の近くのとある十字路にひっそりと立っています ②白川小学校のそばで児童を見守り中 ③ダブルのスーツでT字路に立つ ④後原農村公園にいます。交通安全のたすきの色が制服と一緒 ⑤右だけ分厚い肩パットが入っているみたい。足はどうなってるの? ⑥北丘小学校の花壇にいます。
顔つきが少し違う?
さて今回は、2体のおまわりさん人形がいっぺんに見られる場所があるので行ってきました。そこはうるま市石川伊波の伊波小学校の通りです。1体は小学校側の歩道、もう1体は反対側の歩道に立っています。それぞれ違う形の帽子をかぶり、顔つきもちょっと違います。たまたま通りかかった人に声を掛けると、「近くに娘がいるのでよくここを通ります。今、あのおまわりさんのマスクが下がって取れそうだったから着け直してきたんですよ」というので見に行くと、ステキな柄のマスクをしているではありませんか! 心優しいこの人は地元に住む中井さおりさん。3人の息子たちがまだ小さいとき、ここを通ると「おまわりさんの身長を超えるかね~」と言って頭をなでていたそうです。
現在、伊波小学校に通う孫がいるという中井さん。「おまわりさん」の存在は交通安全につながるのではと話し、さらにこう続けました。
「たとえば小さな子どもが5年後おまわりさんより大きくなって、あのときはこうだったなーと思うことがあるかもしれない」と。そうですね、おまわりさん人形を通していろいろなことを振り返ることもあるでしょう。
1体の後ろ姿を見ると、「よい子は右左よくみてわたります 東風平村中村信彦」と足に書いてありました。交通安全を願っていた中村さんの思いが多くの人に届きますように。
(2021年6月17日 週刊レキオ掲載)