沖縄に根づく獅子舞文化を大調査!【島ネタCHOSA班】

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沖縄に嫁いで5年ですが、初めて獅子舞を見たときはとてもビックリしました。沖縄の獅子舞についてもう少し教えてくれませんか。

(那覇市 soyokazeさん)



獅子舞ですかー。とても勇ましくて、見るたびに調査員もチムドンドンします。


獅子舞は神様!?


 さっそく調査開始! まずは図書館へ。

 『沖縄の魔除け獅子 写真集』(長嶺操・著)によると、獅子舞獅子には村落を守る「守神」としての意味があるのだとか。神様だったとはびっくり! 同じ著者の『村と家の守り神―再考 沖縄の魔除け獅子』によると、2002年1月時点で県内には約150の村落獅子舞の獅子があり、最多は中頭地区の50頭。地域によっては親子獅子や糸で操る獅子があり、人が中に入らない獅子舞もあるそう。

 『東恩納寛惇全集8』には「琉球の秋の稲穂祭の出しものとして、最も人気のあるものは獅子舞(中略)日頃はその村落の『守本尊』として人々から尊敬されている」との記載がありました。

十五夜に登場する王


力強い舞を見せた獅子加那志

 「実際に獅子舞を見てみたい!」ということで、調査員は、約300年の歴史があるという八重瀬町志多伯の村落獅子舞を見に行くことに!

 沖縄の各地域で行われる村落獅子舞はおよそ1月~9月の内に実施。開催が集中するのは7月のお盆と8月の十五夜で、志多伯は「十五夜」(旧8月15日)。この日にのみ字内で演じられる貴重なものです。

 志多伯の獅子舞は民の無病息病と五穀豊穣を願って演舞されてきました。獅子舞獅子はムラの守護神「獅子加那志(シーシガナシ)」と崇められており、それを意味して顔に「王」という文字が描かれています。

 当日午後2時。青空の下、長嶺祝女(ノロ)が獅子舞獅子を保管管理する「獅子屋」と長嶺野呂殿内(ノロドゥンチ)がある御庭に関係者が集まりました。大きな貝でつくった笛のようなボラ、ドラ(銅鑼)、三線、太鼓の音色。区長・副区長を中心とした拝みが始まります。

獅子屋の中を覗いてみると、右に獅子加那志が保管されており、祭壇には根神、産神、本野呂などの各香炉がそろいます。獅子加那志の頭はデイゴの木、髪の毛は馬の尾、胴体は芭蕉の繊維などでそれぞれ作られています。


獅子を誘い出す金の玉

拝みが終わると、獅子舞の前の座清めとして演じられる棒術「舞方(メーカタ)」を披露。獅子あやし役・ワクヤーが金の玉がついた紐で獅子を誘い出すと、ついに獅子加那志が登場!

殿内の主が獅子に献杯をしたり、獅子の顔にお酒を塗ったり、演舞の前足役と後足役が瞬時に入れ替わったりと、志多伯独自といわれる「目の上の型」も行われ、スピード感あふれる激しい舞は、まさに志多伯獅子舞。このあと馬場跡では、区長・副区長など数人が五穀豊穣と繁栄を祈願。若者がドラを鳴らしながらその周りを練り歩きました。


神谷良明区長

* * *

 志多伯区長の神谷良明さんは「先輩後輩がたくさん協力してくれてうれしかった。3年後の24年は豊年祭。200~300名が志多伯に集まります。華麗な衣装とともに道ジュネー、獅子舞・棒術・舞踊などが披露されますから、ぜひ見にきてください」と、笑顔でアピール。

 獅子舞を見て、世の中は300年で変われども、民が幸福を願う気持ちはいつの世も同じかもしれないと思った調査員。十五夜の月明かりがいっそういとおしく感じたのでした。




◆志多伯公民館

 TEL 098–998–2141

〈参考文献〉

 『志多伯の獅子加那志(上下)』(志多伯伝統文化保存会 発行)、『志多伯の獅子加那志』(志多伯リーダー塾)、『沖縄の魔除け獅子 写真集』、『村と家の守り神―再考 沖縄の魔除け獅子』(長嶺操・著)、『東恩納寛惇全集8』

 

(2021年10月21日 週刊レキオ掲載)





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