「Dappi騒動」から考える誹謗中傷のステマについて モバプリの知っ得![153]

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特定の政治家のデマを拡散し、誹謗(ひぼう)中傷していた「Dappi」と名乗るTwitterアカウントがありました。先月、そのアカウントから誹謗中傷された立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉の両参院議員が発信者情報開示請求※1を行い正体を探ったところ、とある企業のパソコンから行われていたことが発覚しました。つまり、会社がお金を受け取り、仕事として政治家を誹謗中傷していた可能性が出てきたのです。

今回の「Dappi騒動」の問題点は大きく2つあります。1つは多くのフォロワーを持つ影響力のあるSNSアカウントでデマやフェイクニュースを流していたという点です。例えば、この「Dappi」は、国会中継の動画を切り取って、発言の意味が180度変わるように加工した動画を日常的に発信していました。今回の件に限らず、選挙や政治家に対するフェイクニュースを流して、結果を変えようという行為は世界中で行われています。このような行いは、民主主義を冒涜する行為ではないでしょうか。

2つ目は、「Dappi」にお金が支払われていたという疑惑が生まれている点です。デマで誹謗中傷をしているだけでも大問題なのですが、さらにそのアカウントがお金をもらっていることを隠して活動していたのであれば、「ステルスマーケティング※2」になり、とてつもない大問題です。


イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

ステルスマーケティング、通称「ステマ」はリアルな口コミが大事にされるネットの世界では、重大なルール違反として、厳しく非難される行為です。ステマを行ったインフルエンサーが炎上することがたびたび発生しています。今回の「Dappi騒動」も政治に対するステマに該当するのではないでしょうか。こうした行為が許されると、お金を持っている人がステマアカウントをたくさん作り、特定の政治家の評判を落とし、選挙結果を操作できるようになります。それはゲームでいう「チート(不正)行為」であり、チートが野放しにされるゲームは非常につまらないように、社会全体がどんどん腐敗していきます。

今回のように裁判の判決が出ることで情報が明るみになることもありますが、そこまでいくにはかなりのハードルがあります。昔、ステマ問題で引退に追い込まれたタレントもいる中で、今回の「Dappi騒動」はそのような事の大きさに比べて、重要視されておらず、そこも問題だと思います。情報を慎重に受け止め、ステマアカウントに引っかからないように注意しながら「ダメ、ステマ」の気持ちで厳しくチェックすることも意識してください。

※1 発信者情報開示請求…匿名のSNSアカウントに対しては名誉毀損の裁判などを起こすことができません。そのため「発信者情報開示請求」を裁判所で行い、訴えが認められるとインターネット会社に対して書き込んだアカウントの名前や住所などを教えるよう求めることができるようになります。逆にいうと、匿名だからと言って誹謗中傷を行っていると、発信者情報開示請求で自分の個人情報が知られて、訴えられる可能性があるということです。

※2 ステルスマーケティング…本来、企業などからお金をもらって宣伝を行う場合、「宣伝」「PR」であることを明記する必要があります。しかし、お金をもらっていることを隠し、発信するとステルスマーケティングになります。現在ステマは違法ではありませんが、ステマが横行することで「何が広告で、何が本心か」が見分けることができなくなります。結果的に、私たちの世の中に人を疑う気持ちだけがどんどんと広がるのです。

 


 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。



【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/

 



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