その財産 誰が、どのくらい、もらえるの? 【沖縄の相続】暮らしに役立つ弁護士トーク(4)

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 “沖縄の相続問題”のエキスパート・尾辻克敏弁護士の事務所に、最近お父様を亡くされたという花子さんが、夫の太郎さんと相談に訪れました。お父様が残された財産をどのくらいもらえるのか教えてほしいようです。

 

 


養子は? 結婚していない交際相手とその子どもは?


花子さん

花子さん

父が先日、亡くなりました。

うちは、もともと会社を経営する父、主婦の母、そして、私と妹の4人家族でした。
現在、私は夫の太郎さんと結婚しています。夫は父の会社で常務をしていて、私と結婚してすぐに父の養子になりました。

そして、父は生前、母と結婚していながら、真奈美さんという女性と交際していて、真奈美さんとの間に弘君という子が産まれ、父は弘君を認知しています。

なお、父は遺言書を作成していません。
父の財産を、誰が、どのくらい相続できるのかを知りたくて相談にきました。

 



尾辻弁護士

尾辻弁護士

今回は「相続分」についてお話します。

まず、「相続分」とは、各相続人の「相続財産」の持分のことをいいます。
被相続人(亡くなった方)は、遺言書で「相続分」を決めることができます。
遺言書がない場合には、民法の「相続分」が適用されます。これを「法定相続分」といいます。


花子さん

花子さん

うちのケースでは、お母さんの「相続分」はどうなるのですか?

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

配偶者の「相続分」は、相続人として子がいる場合、2分の1となります。配偶者の「相続分」は、他に誰が「相続人」になるかで変わります。

相続人として子がいれば、配偶者の相続分は、「2分の1」
子がいなくて、親が相続人になる場合、配偶者の相続分は「3分の2」
子も親もいなくて、兄弟姉妹が相続人になる場合、配偶者の相続分は「4分の3」となります。


花子さん

花子さん

母が2分の1をもらえるのは分かりました。

真奈美さんも相続分があるのでしょうか。


尾辻弁護士

尾辻弁護士

真奈美さんに財産を譲るとの遺言書はないようですし、お父様と真奈美さんは結婚していないので、真奈美さんは相続人になれません(詳しくはこちらを参考にして下さい)。

そのため、真奈美さんには相続分はありません。


花子さん

花子さん

では、私と妹の「相続分」はどうなるのでしょうか?

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

被相続人に配偶者がいる場合、子の「相続分」は2分の1です。子が数人いる場合、子のそれぞれの「相続分」は等分に分けることになります。

花子さんのケースとは別ですが、例えば、配偶者がいる被相続人の子が2人だとすると、子のそれぞれの相続分は2分の1を2等分して、子のそれぞれの相続分は4分の1となります。


花子さん

花子さん

うちのケースでは違うのですか!

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

まず、養子の太郎さんにも相続分があります。

会社経営者の場合、娘婿を養子にするケースがよくあります。養子縁組では、養子縁組の日から実子となるため、養子は「相続人」になります。養子の「法定相続分」は実子と同じです。

なお、養子縁組をすることで相続税の節減にもつながることがあります。

ただし、税法上は、「法定相続人」に算入できる養子の数に限りがあるので、ご注意ください。

 


花子さん

花子さん

では、子の相続分の2分の1を、私と妹と主人の3人で3等分して、私たちの相続分はそれぞれ6分の1ずつになるのですか。

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

いいえ、違います。お父様と真奈美さんとの間に生まれた弘君も相続人になります。

弘君のように、婚姻関係にないお父様と真奈美さんとの間に子が生まれ、お父様が認知している場合、嫡出でない子(婚外子)と言われます。
嫡出でない子の相続分は、以前は嫡出子(法律上の婚姻関係にある男女の間に生まれた子)の相続分の2分の1とされていましたが、
民法の改正により、現在では嫡出子の相続分も嫡出でない子の相続分も同等とされています。

今回のケースでは、お父様の子として、花子さん、妹さん、太郎さん、弘君の4人が相続人になりますので、4名の相続分はそれぞれ、2分の1の財産を4等分した8分の1ずつになります。

 


「養子」になると、実親からは相続できない?


太郎さん

太郎さん

養子になると、私は自分の実家の財産は「相続」できないのですか?

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

「養子になったら実親の財産を相続できないですか?」という相談はよく受けます。

「普通養子縁組」では、実親との親子関係が続くので、「普通養子」は、養子先の親からも、実親からも「相続」することができます。

なので、太郎さんは、ご自分のご実家の財産を相続できます。

 


花子さん

花子さん

生前、父は「親孝行の私に財産を多くあげたい」と言っていました。父が、私と他の子との「相続分」に差をつけるにはどうしたらよかったのですか?

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

先程説明したとおり、子の「法定相続分」は平等です。しかし、子の「相続分」に差を付けたいとの相談も結構あります。

この場合、「相続」では遺言書が優先されるので、生前に「〇〇さんに多く財産をあげる」との遺言書を作成することをお勧めしていますよ!

 


(毎月第3水曜日掲載)



― 執筆者プロフィール ―


弁護士 尾辻克敏(おつじ・かつとし)

中央大学法学部、中央大学大学院法務研究科卒業。司法試験合格後、県内にて1年間の司法修習を経て、弁護士業務を開始。常に相談者の話を丁寧にお聞きし、きめ細やかな法的サービスを的確かつ迅速に提供し、全ての案件に誠心誠意取り組んでいる。

相続問題・交通事故、企業法務等を中心に取り扱う。相続問題では、沖縄の風習や慣習、親族関係にも考慮した適切な解決を心がける。


~法律問題でお困りの際は、お一人で悩まず、私と共によりよい解決を目指しましょう!~

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