「炎上」と「ネットリンチ」 加害者・被害者にならないために モバプリの知っ得![18]


「炎上」と「ネットリンチ」 加害者・被害者にならないために モバプリの知っ得![18]
この記事を書いた人 稲嶺 盛裕

8月3日、沖縄県内のコンビニエンスストアで撮影された動画が大きな話題となりました。

動画は笑いながらアイスクリームのショーケースに入り込む少年たちの姿が映る数十秒ほどの長さのもので、本人らがTwitterに投稿しました。

本人たちは軽い気持ち、ちょっとした悪ふざけで撮影し、投稿した動画だと思います。

しかしながら動画の公開後に全国から非難が殺到しました。いわゆる「炎上」状態です。

動画はいったん削除されたものの、コピーデータが次々アップロードされたため、ネット上では今も見られる状態になっています。

今回の件を踏まえ、店舗側はアイスクリームの商品を全て撤去。

アイスクリームの販売も一時的にストップするなど、店舗側にかなりの損害が発生しています。

このように、迷惑行為を撮影した写真・動画をネットに載せて炎上する事案は2013年ごろから多発し「バカッター」と呼ばれるようになりました。

しかしながら「バカッター」と嘲笑し、ネット上で叩くだけでは再発は防げません。

そこから起こりうる問題を冷静に考え、しっかりと伝えなければいけません。

 

炎上防ぐ3原則 
「やらない・撮らない・アップしない」

ネット上で非難が多く集まることを炎上と呼びます。

炎上のきっかけや理由はさまざまです。

中には賛否の意見が拮抗する炎上もあり、その場合はファンを獲得することができます(ただし、コントロールが難しいためオススメはできません)。

今回のように迷惑行為がキッカケの炎上は、批判ばかりが集まり何一つメリットがないため、絶対に避けなければなりません。

炎上を発生させないためのポイントは以下の3つです。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

1.迷惑行為を「やらない」

そもそもネット炎上とは関係なく、迷惑をかける行動は控えましょう。

仲間内で「面白い」と思っている言動も、誰かに一方的に迷惑をかけることとなれば、非難が集まります

 

2.むやみやたらに「撮らない」

スマホ時代になり、手軽に高画質な写真・動画を撮れるようになりました。しかしながら、一度外部に漏れると拡散が止まらなくなるので注意が必要。また、写真・動画は一部分が切り取られて事実とは違う情報が一人歩きすることもあります

 

3.気軽にネットに「アップしない」

写真・動画をインターネットに公開することをアップロードと言い、そこから転じて「アップする」と言います。炎上しやすい写真・動画を一度ネットにアップすると、それを見た多くの人が保存し、削除しても何度も何度も復活してきて、収拾がつかなくなります

 

【関連記事】「簡単に消せる、簡単に保存される」ネットの書き込みとその影響力 モバプリの知っ得![5]

 

この「やらない・撮らない・アップしない」3原則を意識し、炎上しないように注意をしなければなりません。

最近では、自分たちで「撮らない」「アップしない」を心がけていても、第3者が撮影し、アップして炎上するパターンも存在します。

一番大事なのは、迷惑をかける行為をそもそも行わないこと。

大前提として、そこを押さえる必要があります。

炎上しすぎると誹謗中傷の被害者に

今回、動画を撮影した少年たちはコンビニに迷惑をかけて炎上しました。

コンビニに対しては「加害者」である少年たちも、炎上が広がることで「ネットリンチ」という観点では「被害者」になっていきます。

名前や所属、住んでいる地域の個人情報がまとめられ、インターネット上にずっと残ることとなります。就職や結婚などの人生の大きいイベントに支障をきたす可能性も出てきます。

炎上が広がることで、過剰制裁となるのです。

この連載でも7月23日に、全く同じテーマで記事を書いたばかりでした。

【関連記事】「ソーシャルジャスティスウォリアー」って何!?私刑を行うネットユーザーへの警鐘 モバプリの知っ得![15]

 

良くない行いを指摘する行為は間違ってはいませんが、エスカレートすることで別の問題が発生します。

今回も、動画を撮影した少年らの個人情報がまとめられ、さらされる「ネットリンチ」「私刑」が発生し、定番の炎上の流れとなりました。

皆さんもこうした炎上を見かけた時には、

  • なぜ炎上したのか、自分は大丈夫か
  • 炎上に対しての反応は過剰になっていないか、自分も加担していないか

を双方から考えてほしいと思います。

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」8月13日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/