同僚にもらった「赤瓦焙煎珈琲」というドリップバッグのコーヒーがおいしい! 自分でも購入し、会社の休憩時間に欠かせなくなりました。「赤瓦」という名前がどこから来ているのか調べてほしいです。
(那覇市 豆香さん)
赤瓦といえば首里城正殿などに使われた沖縄の伝統的な建材ですが、どう考えてもコーヒーには結び付かない調査員。この依頼は不採用かなと思っていたある日、パレットくもじ前で「赤瓦焙煎珈琲」という看板を掲げたキッチンカーを発見。黒糖カフェラテを飲んでみると…本当においしい! 調査の価値ありと判断しました。
キッチンカーで販売
その場で店長に話を聞いてみると…。「最近キッチンカーで販売する機会が増えています。暑くなってきたのでアイスが売れていて、黒糖カフェラテは人気ですよ。ドリップバッグもここで買えますが、詳細は企画販売者のFECオフィスに確認してください」と紹介してくれました。FECといえばあのお笑い事務所!? 不思議に思いながら店長の顔をよく見ると、FEC所属のベテランコンビ「すぱるたいんづ」のヨーガリーまさきさん! 知念だしんいちろうさんが相方です。
沖縄らしさもエンタメも
FECオフィスを訪ねると、担当者として現れたのは代表の山城智二さん。芸人としても俳優としても活躍中のマルチな社長です。
「FECはフリーエンジョイカンパニーの頭文字から付けた社名なので、その名の通り自由に楽しくをモットーに活動を広げていけないかと、数年前から考えていました。新商品を開発したら実現できるのではないかと思った時、コーヒーが目に留まったんです」と山城さん。自身もスタッフもデスクでコーヒーを飲み、稽古場に集まる芸人たちもコーヒーを飲んでいることに気付いたそう。
「コーヒーは日常にある飲み物なので商品化する価値がある。沖縄らしい何かを入れられないかと悩み抜いた結果、『赤瓦』が浮かんだんです」
沖縄を象徴する風景の赤瓦屋根の家。その縁側でコーヒーを飲む場面をイメージした山城さんは赤瓦のことを調べ、スタッフと相談しながらコーヒーの焙煎時に使う発想に至ったそうです。そして赤瓦の原料になるクチャ(泥岩)を丸く加工した「赤瓦ボール」を開発。
「コーヒー豆と一緒に赤瓦ボールも焙煎機に入れます。ボールが放つ遠赤外線の放射熱で、豆の芯から素早く焙煎するのでおいしさが引き立つんです」と説明。そのユニークな発案と独自のコーヒーを作りたいという熱意が周囲を動かし、沖縄県赤瓦事業協同組合とコーヒー豆の専門会社・沖縄セラードコーヒーの協力を得て、2021年10月に「赤瓦焙煎珈琲」が誕生しました。袋詰めした豆・粉とドリップバッグを販売中で、取り扱い店が増えているそうです。
「売り上げの一部は赤瓦事業協同組合さんに寄付をして、首里城の復興に役立ててもらいます。キッチンカーでの提供も始めたので、店舗販売用とドリンク用に賞味期限を管理して食品ロスを防ぐ対応もしています。所属芸人を販売スタッフにすることで雇用にもなるんですよ」など、コーヒー販売が多くの取り組みにつながっていると教えてくれた山城さん。今後はキッチンカーをさらに活用し、おいしいコーヒーを多くの人に届けたいそうです。
「コーヒーを飲みながらお笑いを楽しんでもらうためにキッチンカーのそばでライブをやるとか、料理も提供するキッチンカーイベントを開催したい」など、山城さんは次々とアイデアを話してくれました。伝統の赤瓦がコーヒーやエンタメと結び付き、新たな世界の展開を知りワクワク。楽しい気分になった調査員でした。
赤瓦焙煎珈琲(あかがわらばいせんこーひー)
スーパー[ユニオン」古島店・経塚店・津嘉山店、首里城公園ショップ、Amazon通販サイト、オンラインストア(https://fec-okinawa.stores.jp/)で販売中。キッチンカーの予定は「Twitter:@akagawara_oki」でチェック。
問い合わせ:FECオフィス
電話: 098‐869‐9505
(2022年5月13日 週刊レキオ掲載)