宜野湾市のラジオ局が「お手伝いマン」!?【島ネタCHOSA班】


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

宜野湾市のラジオ局が家事代行サービスを始めているそうです。代行できる内容など詳しく知りたいので調査してください!

(北谷町 バンジョー次郎)

ラジオ好きな調査員ですが、家事代行サービスを行うラジオ局は聞いたことがありません。調べてみると、宜野湾市にあるコミュニティーラジオ局「FMぎのわん」独自の支援事業「お手伝いマン」だと判明しました。

地域に根差したサポート

FMぎのわん。大きな窓から差す光が気持ちいい

さっそく宜野湾市喜友名にあるFMぎのわんに向かった調査員。扉を開けるとパーソナリティーの軽快な笑い声と、西海岸が一望できる大きな窓がお出迎えです。

「お手伝いマンの支援活動は2021年4月からスタートしました」

山内 一郎さん

そう語るのは、代表取締役の山内一郎さん。お手伝いマンのサービスを始めるきっかけは、同局で番組を持っている宜野湾社会福祉協議会の人からの 相談だったといいます。

「コロナ禍で困っている人が増えたんです。貧困の人はより貧困に苦しんだり、県内の学校が一斉休校して、子どもが家にいる時間が増えたことで児童虐待やDVが増えたり…」と話す山内さん。

そこで、放送を通じて支援物 資の協力呼びかけを始めたところ、県内外から多くの支援物 資の提供があったそう。

「おもちゃとか洋服とか、お米や商品券が届くこともありました」

支援物資の呼びかけは評判も良く「支援を続けてほしい」という声も多く寄せられました。しかし、一企業であるラジオ局がどうやって支援活動を続けられるか。壁にぶつかりかけていたところ、宜野湾市が独自に、支援活動をしている企業・団体への補助金の支給をスタート。その補助金を元手に専門家を雇い、市内に住む人たちの困りごとを聞いた結果、高齢者の一人暮らしやひとり親家庭などで千差万別の悩みが明らかに。

「幅広いニーズに合う支援活 動は何があるだろうと考えて、思いついたのが家事代行サービスだったんです」と山内さんは説明します。

支援の輪広げたい

お手伝いマンは、支援が必要な人向けのサービス。依頼があった際は、山内さん自ら依頼者の相談を聞き、現地調査を行った上で必要な時間や派遣する人数などを決定。依頼者との合意の上でお手伝いマンを派遣します。

最近の例としては、一人暮らしのおばあさんの庭掃除。依頼主にはリピーターも多く、毎週ゴミ出しの依頼をする人や、週に数回病院の付き添い、買い物代行を頼む人など、さまざまだといいます。

現在のお手伝いマンの派遣地域は宜野湾市、北谷町、中城村、北中城村、浦添市が対象。

「対象外の地域でも困っていたらプラス料金で請け負うこともあります」と山内さん。

依頼が入ると、依頼内容と日時、場所などを有償のボランティアと共有し、行ける人が行くシステム。登録しているボランティアは30人ほどで、中には大学生や福祉の専門職の人もいるそう。

床掃除をしているお手伝いマン

有償にしたのは本土で20年近く福祉支援活動をしている人からの助言があったからと山内さん。「無料だと後々レギュラーで頼みにくくなったり、ドタキャンや無料がゆえのトラブルが起こる恐れがある。有償にすることでボランティアにも責任感を持たせています」

      *   *   *

「お手伝いマンの支援活動は細く長く続けていきたい」と山内さん。ゆくゆくは、公民館と連携して子どもの世話をするなど、幅広い支援の輪を広げていきたいと展望を語ってくれました。

かゆいところに手が届く支援がうれしいお手伝いマンの今後の活躍に期待する調査員なのでした。


FMぎのわん家事代行支援事業
お手伝いマン

電話:098-943-0094
電話受付9:00~20:00(月)~(土)
お手伝い10:00~18:00(土日祝も対応)
対象地域:宜野湾市、北谷町、中城村、北中城村、浦添市
※遠方の地域はお断りする場合があります。

 

(2022年8月18日 週刊レキオ掲載)