ミミガーとソーキそばが好物!人気上昇中の音曲漫才師「ラニーノーズ」


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ギターを持って舞台に立つ洲崎貴郁さんと山田健人さんによる「ラニーノーズ」。音曲漫才師といわれる芸人でありながら、「Runny Noize」名でバンド活動も継続中。お笑いも音楽も全力で活動しています。2019年は「歌ネタ王決定戦」で優勝し、2020年は「第5回 上方漫才協会大賞」で話題賞を受賞するなど実力を発揮しながら輝かしい存在に。今後ますます人気が上昇しそうです。修学旅行でもプライベートでも沖縄に来たことがあったり、カナダ留学が生き方を変えるきっかけになったなど、いろいろ話してくれました。お笑いコンビとしてもバンドマンとしても、注目したい2人です!

※取材日:2020年11月3日
写真撮影時のみマスクを外していただきました。

聞き手:饒波貴子(フリーライター)

短大時代の同級生で、2008年に4人組のパンクバンド「Runny Noize(ラニーノイズ)」を結成した、洲崎貴郁(すざき・たかふみ)さん(左)と山田健人(やまだ・けんと)さん。「お笑い芸人になりたい!」という山田さんの子どものころの目標をかなえるべく2人でよしもとの養成所・NSC大阪校に入り、12年に「ラニーノーズ」で芸人デビューしました。

大阪・大正区で親しんだ沖縄料理

―久しぶりの沖縄。来た感想を教えてください。

洲崎:正直沖縄は、「島ぜんぶでおーきな祭 沖縄国際映画祭」に出演するために来る感覚が大きいです。2020年はイベントがありませんでしたが、それまでは3〜4年連続で呼んでいただいていました。

山田:僕らは「Runny Noize(ラニーノイズ)」という名前でバンド活動をしていて、毎回バンドで呼んでいただいていました。景色の良い野外ステージでライブができるのは、楽しくてありがたいです。

洲崎:野外ステージは本当に気持ちがいい。コロナ禍で去年は機会がなくなり残念で、特にドラムの奴はマジでへこんでました(笑)。

―今回は「よしもと沖縄花月」公演出演のための来沖ですが、何か計画はありますか?

山田:今日来たばかりで、自由には動けないですね。

洲崎:3ステージ入れてもらっているので、どこかに行けるとしたら夜。沖縄のお酒でもちょっと飲みたいなと思っています(笑)。

山田:YouTubeチャンネル「ラニーノーズのラニーラニーラニー」を沖縄から配信しますが、一緒にやっている大村ジーニアスは子どもの時に来た以来の沖縄と言っていて大喜びでした。

―沖縄の好きな食べ物を教えてください。

洲崎:僕はラフテーとミミガー。ラフテーはやわらかくていいですね〜。ミミガーはマジで大好きで、コリコリした食感がたまりません。コンビニで絶対買っちゃいます。大阪のコンビニにはないですから。大阪で沖縄料理を食べる時も、絶対にミミガーは頼みます。

山田:コンビニで買うとか、まんまと観光客(笑)。

洲崎:味がおいしい! めちゃくちゃうまくて大好き。

山田:僕はソーキそばとタコライスをよく食べる。去年まで大阪のリトル沖縄みたいな「大正区」に住んでいたんですよ。だから沖縄料理が身近にあって、特にソーキそばばかり食べていました。沖縄っぽいってよく言われていましたね。

洲崎:大正区の街並みが沖縄っぽいんでしょ!? 塩顔の山田は、絶対に沖縄っぽくない(笑)!

石垣島でタイマッサージ!?

―沖縄の海で遊ぶなど、リゾート体験はありますか?

山田:1年ちょっと前にプライベートで石垣島を訪ね、小浜島にも行って最高でした! ホテル内の施設をカートで自由に移動でき、楽しく過ごしました。実は自分たちでは旅行の計画をしていなくて、旅行会社で働いている友達が全部手配してくれたんです。何の前情報もなくそれに従ったので、余計に楽しかったと思う。海も星もきれいでリゾートホテルでのんびりするのは最高! 中学校の修学旅行で来た時は、首里城や南部を回り、海で泳いだ記憶もあります。

洲崎:僕は高校時代の修学旅行で宮古島に行きました。そして妻と結婚前にも来ました。ダイビングなどはしませんが、恩納村の青の洞窟でシュノーケリング体験してめちゃくちゃ感動しました。写真で見た時はどうせ盛っているんやろな〜って思っていたんですけど、そのまんま。何なら肉眼で見た方がきれい、と思えるほどほんまに真っ青でした。沖縄はやっぱり好きですね。

―沖縄の思い出は他にありますか?

洲崎:仕事で呼んでいただいても日帰りが多くて、沖縄に来ている感があまりなかったんです。劇場にずっといて出番が終わったら帰る、というパターンだったので。でも最近は沖縄花月で夜公演を開催できたり、結構長くいられるようになりました。

山田:数年前に映画祭で来た時、那覇のクラブに行ったんですよ。コロコロチキチキペッパーズのナダルさんも一緒で「顔指されるから、行きたいけど行かれへん」って言うので、僕が冗談でカツラかぶって行きましょうよ〜って誘ったんです。そしたら「よし行こう」ってなって、ドン・キホーテでカツラを買い帽子もかぶって行ったんです。台に乗って踊ったりしたんですけど、人混みの中で僕がふざけて帽子を取ったらカツラまで脱げて「ナダルや〜」って騒ぎになりました(笑)。そのエピソード、『アメトーーク!』とかでいじられたから良かったと思いました(笑)。カツラかぶっている時はバレていなくて、声聞いた人がちょくちょく「あれ!?」って感じで見てましたね。いい思い出です(笑)。

洲崎:バンドメンバーの1人が市場が好きで、そこで魚を買って調理してくれる店で食べたりしましたよ。空き時間ができたら、ごはん食べて飲んでという感じになりますね。

―もっと沖縄、楽しんでいただけそうです。行きたいところはありますか?

山田:いろんなところに行きたい。石垣島が楽しかったので、他にも楽しめるところがたくさんあるんやろうな〜と思っています。何も知らずに行くのも良いかもしれません。

洲崎:宮古島はもう一回行きたい。海がめっちゃきれいだったのを覚えています。

山田:そういえば石垣島に着いてもらったパンプレットで「タイ古式マッサージ」が、世界一気持ちいい伝統マッサージ的な感じで紹介されていたんですよ(笑)。沖縄とタイはどんな関係があるんやろうと思いながら行ったんですが、「全く関係ない」って後で沖縄の人に聞きました。

洲崎:宣伝に負けたんや(笑)。

山田:大阪にもありますけど、パンフレットに大々的に載っていたので沖縄とタイはつながりが深いのかと思った。タイ人がマッサージする訳でもなく、スタッフは日本人(笑)。でも気持ち良かったですよ!

洲崎:タイって書かれているのに、沖縄と関係ある〜(笑)!?

カナダに音楽留学、バンドもお笑いも両立

―お笑いを始める前から、「Runny Noize(ラニーノイズ)」としてのバンド活動が先。めずらしい経歴ですが、職業を聞かれたら何と答えていますか?

山田:モチベーショナルスピーカー。Instagram(インスタグラム)のアカウントでコメディアンにしていたら「バンドじゃないんか」と言われ、ミュージシャンにしたら「コメディアンじゃないんか」って言う人おって。それがちょっとうっとうしく感じ(笑)、「人のモチベーションを上げる発信者」ということにして、モチベーショナルスピーカーと名乗らせてもらっています(笑)。

洲崎:そんな項目あった?

山田:「とらわれるな、肩書きに」ってことよ。僕らの活動は不思議というか・・・この前大阪で無観客の配信ライブをやったんですけど、その日は朝からずっと漫才していました。和歌山行ったり学祭に参加したりして漫才4回やり、夜はバンドで思いっきり激しくライブ。状況がパッパと変わるので、ほんまに芸人なのかバンドマンなのか難しいところ(笑)。

―自分の中での切り替えはあるんですか?

山田:流れるままにやっている(笑)。なのでやっぱり、モチベーショナルスピーカーです。

洲崎:僕はコメディシャン。ミューディアンか迷ったんですけどね。

山田:コメディシャンは分かりやすい。でも分かりたくなかったし、マネージャーが止めたくなるくらいキツイでしょ(笑)。

洲崎:どっちもやっているから、聞かれると難しい。

―短大時代に出会って2008年にバンド結成。その後によしもとの養成所「NSC大阪校」に行ったそうですが、音楽やりながら2人でお笑いもやろうと決めたんですか?

山田:4人でバンドをやっていましたが、2人抜けて僕らだけになったタイミングでお笑いを始めたんです。小学生のころはお笑い芸人になりたい、っていう夢があったんですよ。

洲崎:夢が芸人だとは知らなかったですが、誘われて一緒にNSCに入りました。お笑いは人並みに好きで楽しそうやなって思って。バンド活動との両立はもちろん大変ですけどね。

―芸人さんが音楽やるのは聞いたことがありますが、どちらも手を抜かないというか全力かけての本業。

洲崎:そうです。一応メジャーデビューもしていますから。

山田:僕ら2人が芸人やっているのを前提で入ってくれたのが、今のドラムとベースなんです。

―短大卒業後にカナダに音楽留学していたそうですが、当時は音楽一筋の方向性でしたか?

山田:はい。カナダには4人で行って、ベースとドラムが先に日本に帰っちゃったんです。

洲崎:カナダ着いて2週間経ったころでしたから、ほんまにしんどかったんでしょうね。4人で住める家がなくて2人ずつに分かれたんですよ。僕らは2人でいて、一週間ぶりに会ったらベースとドラムが帰りたいって話し出したんです。

山田:その日は僕の誕生日でフードコートに4人集まりました。節約していたからまともなメシを食えてなくて、やっとうまいもん食える〜って食べていたら、「帰りたい」と言われて。心折れていたのがドラムで、「こいつのこと責めるのは違うと思うし、ドラムが帰るなら全員で帰った方がいいと思う」とベースも言ったんですよね。

洲崎:ネガティブ思考とポジティブ思考に分かれました(笑)。「もう一回日本でやり直そう」って言われましたね。

山田:僕ら2人は「いやいや、ありえへん」って言い返しましたよ。カナダ留学を目標にずっとお金を貯めて、反対されても押し切って行きましたから。「すぐ帰るのはさすがに無理や」と答えました。ドラムは所持金が少なかったし、帰ろうという気持ちもあったんちゃうか〜って後で思いました。

―今があるからいいですが、当時はつらかったでしょうね。

山田:そうですね。ワーキングホリデーでビザを取って行ったのですが、2人帰っちゃって僕ら2人になり、いろんな人たちに助けてもらいました。現地に住んでいる人とバンドを組んで最後にライブして、一年後に日本に帰りました。

―4人で住んでいたら違っていたのかな、と思ってしまいます。帰った2人とは連絡取ったりしますか?

山田:いや、一緒に住んでても彼らは帰ったんじゃないかな(笑)。

洲崎:2人が帰って良かったのかもしれません。

山田:確かに、僕ら2人だから周りに助けてもらえて生き残れた可能性もあると思います。

洲崎:ベースだったヤツは地元の友達なので、結婚や子どもが生まれた時におめでとうと来たり、時々やり取りしています。

―ラニーノイズの青春の思い出ですね! カナダ行きは良い経験。

洲崎:10年前くらいの事ですが、全然後悔していません。

山田:カナダでのいろいろな経験が、今につながっています。強盗に遭ったり銃を向けられたり、変な事が多かったんですよ。芸人になりたいという子どものころの憧れを思い出さないようにしていましたが、カナダの変なエピソードを話したりできるのは芸人として活きると思い、帰国後に芸人になろうかどうか悩みました。23〜24歳だったから、始めるにはギリギリの年齢。それで「芸人もやりたいねん」って洲崎に相談したら「いいんちゃう。任せるで〜」みたいな返事をもらい、NSCに入所した感じです。ダメ元という気持ちはありましたけどね。

―音楽とお笑いを両立し、オンリーワンの存在感で素晴らしいです! 先輩や事務所の方は応援してくださるんでしょうか?

山田:もっと叩かれるかなと思っていましたが、結構応援していただいています。僕らが入ったころは寛容な時代で、芸人もいろいろやっていいという風潮になりつつあったんですよね。芸人はお笑いのみという時代もあったと思います。タイミングが良かったんですね。

洲崎:YouTubeも割と早く7年前からやっています。

山田:YouTubeチャンネル「ラニーラニーラニー」はやっぱり音楽多め。でもネタも上げていますし、ホラーコメディー映画もあったりバラエティーに富んでいます。

―ホラーコメディーって何ですか?

山田:カナダで僕ら2人になって、バンド活動のために来たのに音楽できへんくなって(笑)。洲崎がビデオカメラを持っていたので、暇やから遊びで映画を撮り出したんですよ。「低予算で撮れて、友達が演技して面白いのは、ホラー映画や!」って思って。洲崎が怯えているのを真剣に撮って笑ったりしていたんですが、英語字幕を付けてカナダの最後のライブで上映したらウケたんです。なので、YouTubeを始めた時もホラー映画を撮りましたし、客席の笑顔を見てお笑いをやりたい気持ちが強くなったっていうのもあるんですよ。

―YouTubeチャンネル「ラニーラニーラニー」をアピールしてください!

山田:僕たちがやりたいことが詰まっているチャンネル! 去年の10月までは週に5日アップしていたので少しペースを落とし、その分クオリティーは上げて音楽に比重を置いた動画にしていくつもりです。

―音楽ジャンルは? ファンは女性が多いですか?

山田:大きなジャンルでいうと、パンクバンドでしょうね。

洲崎:劇場に来ている方のほとんどが女性で、そこで知っていただいてバンドにも興味を持ってくださるパターンが多いです。バンドでよしもとの劇場に出演したこともあるんです。

山田:沖縄でいつか音楽フェス! フェス開催を目標にします。その前にまず沖縄でやっているフェスにバンドで呼んでいただきたいですね。

洲崎:沖縄のフェスに出たいですし、開催もしたい。

山田:ラニーフェスを沖縄で開催。「なんで沖縄やねん! 大阪出身やねんから大阪でやれよ」って言われそう(笑)。大阪でやりたいな〜っていう野望はあリます。

―沖縄のミュージシャンとコラボや対バン、楽しみにしています!

洲崎:沖縄のミュージシャンはモンパチさん始め、たくさんいらっしゃって共演できる機会があるといいです。

山田:沖縄の方は郷土愛がすごくて、どれだけ売れても沖縄での活動を大切にしている。そういうのを知ると、やっぱりいい所なんだなと思います。漫才でもバンドでもまた来ますので、よろしくお願いします!

YouTubeチャンネル:ラニーノーズのラニーラニーラニー【公式】
https://www.youtube.com/channel/UC8K9KvifnAvsFyE9CUH426Q

「ハイサイ気分」
ようこそ沖縄へ! 本土から来沖する有名人を歓迎する、連載インタビュー。近況や楽しいエピソード、沖縄への思いなどを語っていただきます。

【ラニーノーズ プロフィール】

結成:2012年4月

☆洲崎 貴郁(すざき・たかふみ)/左 
性別:男性
生年月日:1988年5月4日
身長/体重:173cm/57kg
血液型:B型
出身地:大阪府
趣味:ドラゴンボールのグッズ集め・ダンス・歌・ギター・弾き語り・英語・イラスト
特技:ギター・弾き語り・英語・イラスト
出身:2011年NSC大阪校35期生
Twitter @ RN_Suzaki

☆山田 健人(やまだ・けんと)/右
性別:男性
生年月日:1988年12月22日
身長/体重:176cm/52kg
血液型:O型
出身地:大阪府
趣味:ギター・ホラー映画製作・怪談収集・将棋・カポエイラ
特技:ギター・フリースタイルラップ・映像編
出身:2011年NSC大阪校35期生
Twitter @bunnykent


◆インフォメーション◆

【よしもと沖縄花月】
「ラニーノーズ」ほか東京や大阪で活躍する芸人、そして沖縄所属の芸人も舞台に立つ『よしもと沖縄花月』! 公演開催や有料配信の詳しいスケジュールは、HPをご確認ください。
 http://www.yoshimoto.co.jp/okinawakagetsu/

▼オンラインチケットよしもと 
【HP】https://online-ticket.yoshimoto.co.jp/
 ※チケットは各公演開演30分後まで購入可能/各公演24時間以内は見逃し視聴も可能

【住所】那覇市前島3-25-5 とまりんアネックスビル2階 (マップはこちら
【電話】098-943-6244

饒波貴子(のは・たかこ)
那覇市出身・在住のフリーライター。学校卒業後OL生活を続けていたが2005年、子どものころから親しんでいた中華芸能関連の記事執筆の依頼を機に、ライターに転身。週刊レキオ編集室勤務などを経て、現在はエンタメ専門ライターを目指し修行中。ライブで見るお笑い・演劇・音楽の楽しさを、多くの人に紹介したい。