進化を続けるSNS モバプリの知っ得[155]


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SNS大手Twitterが、立て続けに新機能を提供しています。今月3日にビジネスでTwitterを使う人に向けた機能「Twitter Pro」を導入。ビジネス向けのアカウントで肩書きや広告が出しやすくなっている機能がついています。また10日には有料のサブスクサービス「Twitter Blue」をアメリカとニュージーランドで開始しました(日本ではまだ開始されていません)。クリエーターにお金を送ることができる「スーパーフォロー」の機能も日本で使えるようになりました。これらの新機能が成功すると、今後他のSNSもまねて大きな影響を及ぼすかもしれません。

一連の新機能では、クリエーターやジャーナリストにファンが直接お金を払うことができ、この先情報発信の仕方やメディアのあり方も変わる可能性があります。逆に考えると、自分がクリエーターになればTwitterを経由しお金をもらうことができるのです。これを「マネタイズ」※1と呼びます。

ネットの歴史では新しいマネタイズ方法が登場すると、「○○で稼ぐ方法教えます」と呼び掛け、高額な情報商材※2を売りつける人が出てくることが繰り返されてきました。Twitterでのお金のやり取りがメジャーになると、こうした人も登場することが予想されますので注意してください。

もう一つ懸念としては、Twitterでマネタイズできることで過激な言動をし、目立ちたがる人が出てくるかもしれません。Twitterの性質上、自分に近い考えの人が集まりやすく、エコーチェンバー現象が起こりやすいSNSとなっています。

https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-1384149.html
過激なYouTube動画が生まれる背景とは モバプリの知っ得![143]
 

今後ツイッターを通して、さらに人々の分断が深まる可能性もあります。流れてくる情報を全てうのみにせず、落ち着いて見ることが大切です。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

他の大手SNSに比べ収益化がうまくいっていないTwitterは、今後も新機能を試しながら導入していくでしょう。SNSやIT企業はサービスの質を変えて、人々を飽きさせない努力をしています。変化が起こるたびに、気をつけるポイントも変わってきます。これからもSNSを楽しみつつ気を付けて使いましょう。

※1 マネタイズ…日本語に直訳すると「収益化」になります。分かりやすい例は、YouTuberが動画に広告を付けて収益を上げるのは「マネタイズ」です。本来マネタイズを行うためには、人をひきつけるような特技・魅力や、お金・時間を使ってくれるファンが必要です。それらは簡単に手に入れることは難しいため、本来マネタイズはすごく難しいものです(今は人気のYouTuberも、最初は伸びない時期があったりします)。

※2情報商材…ネットを使って何らかのまとまった情報を売ることを「情報商材」と呼びます。価格は安いものから高いものまでさまざまです。情報自体が有料で売られているため、購入前に内容を確認することが難しく「高いお金を出して買ったもののそれに見合わない内容で、借金だけが残る」などのトラブルも多いため、利用する際は注意が必要です。

 

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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